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「ミサイルが私たちを避けて飛ぶ」クウェートの北朝鮮労働者

「ミサイルが私たちを避けて飛ぶ」クウェートの北朝鮮労働者

Posted March. 24, 2003 22:26,   

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23日の午後、この工場を訪れた時、工場の警備員は取材陣を事務室に案内した。エジプト人の工場監督官であるマキ氏は「ミスター金(キム)」を電話で呼び出し、まもなく金日成(イム・イルソン)バッジを左胸につけた30代半ばの「ミスター金」が現われた。

金氏は戸惑いながらも記者の質問にコメントしてくれた。ここでは80人が勤務しており、寝食を共にしていること、通常1度来ると、3年ほどここに滞在するという。

主な仕事は労働。朝6時半に仕事をはじめ、午後3時半に終わる。後で会った工場のマネージャは、北朝鮮の人は優秀な働きぶりを見せていると満足していた。

21日イラクが発射したミサイル一発がこの工場から北に20km離れた所に落ちた。だが、この工場は戦乱の渦中にも関わらず操業を続けている。次は金氏との一問一答。

——不安ではないか。

「どんな団体であれ、指示に従わなければならないではないか」

クウェートに進出した現代(ヒョンデ)建設とSK建設など韓国会社が、インド人やパキスタン人など現地の労働者を、すべて自社負担で帰国させたこととは対照的だ。

——どうやって生活しているのか。

「北朝鮮の人間は、どこに行っても朝鮮式に生活する」

彼らは厳しい団体生活をし、この地域の休日である金曜日にも団体で外出をする。97年頃、北朝鮮の労働者1人が韓国大使館を通じて亡命した。最近も韓国大使館に亡命の意志を明かす電話が数回かかってきたが、成し遂げられなかったと韓国大使館は明らかにした。

——ホームシックにならないか。

「ほぼ一週間ごとに交代するので、人づてに手紙を受け渡しすることができる」

北朝鮮の労働者は平壌(ピョンヤン)から北京を経てクウェートに入ってくるが、中国航空の運行が中断され、開戦以降は入出国ができなくなっている。

——賃金はどれくらいなのか。

「賃金は会社が支払う」

彼らは北朝鮮会社、首都建設の所属。クウェートには同会社以外にもナムカン、カンボク、ユキョンなど、計4つの北朝鮮の会社がクウェートの会社と契約を結んで、働き手を供給しており賃金を一括受領する。

金氏のポストは英語の通訳と工場安全担当。「祖国」で英語を習ったという彼は、「年取って習ったので非常に難しかった」と語る。北朝鮮の労働者に会いたいという要請に少し待ってほしいと言った後、姿を消した。その後、30分が過ぎても何の音沙汰もない。

彼らの宿所に直接行くと、宿所の出入れ口にかかっている「21世紀の偉大な太陽金正日(キム・ジョンイル)将軍万歳」と書かれた看板が目に入る。ドアの両側には「決死団結」、「決死貫徹」と書かれていた。クウェート砂漠の直中で出会った北朝鮮のスローガンは、いかにもおかしく感じられた。

「李グァンイル」と名乗る50代の監督責任者が出てきた。サングラスをかけた李氏は取材を遮りながら、「今はこのようなことはしないで、統一してから会いましょう」と声を荒げた。彼は「ソウルで会おうか、平壌で会おうか」と話しながら、「そうするためには、まずアメリカ人から追い出さないとだめだ」と言う。

北朝鮮はクウェートと01年4月に修好を結び、シリア駐在に金ヒョンジュン大使が兼任している。



洪銀澤 euntack@donga.com