米国は、イラクの首都バグダッドを制圧した翌日の10日(現地時間)、イラクの無政府状態の打開に向けて、イラクの新政府樹立に向けた移行組織、イラク暫定統治機構の早期設立に乗り出した。
米国務省のバウチャー報道官は、イラク暫定統治機構の設立に向けた第一の措置として、イラクの反体制派幹部と地域のイラク人指導者らが参加する会合を開く予定だと明らかにした。この会合には、イラク復興人道支援室(ORHA)室長に任命されたジェイ・ガーナー米軍退役中将とイラクから亡命した14人、イラク内指導者29人が参加する。開催時期は12日以降になる模様だ。
米高官らは、今回の会議がイラク暫定統治機構を設立するバグダッド会議の前に開かれる一連の会議の一つだと述べた。
BBCなどの英国のマスコミは、米英が△軍政△暫定統治機構△制憲議会構成という3段階のイラク政府樹立案を設けていると報じた。ファイナンシャルタイムズ紙は、軍政はガーナー米退役中将が率いるORHAを中心に実施し、3カ月後に暫定統治機構、9カ月後に制憲議会を構成する計画だと伝えた。
亡命したイラク国民会議のチャラビ代表は、「ガーナー将軍は今どこにいるのか。ガーナー将軍一行が急いでイラク入りして、法と秩序の回復を助け、苦しむ人々に人道的支援をする必要がある」と求めた。
ロシア、フランス、ドイツは11日、ロシアのサンクトペテルブルクで3国首脳会談を開催する。3国は、国連が戦後のイラク体制を管轄すべきだとの立場を発表するものとみえ、外交上の葛藤が予想される。
一方、米軍のバグダッド制圧により、イラク戦開戦以降、最も静かな夜を過ごしたバグダッド市民は、10日も略奪の恐怖にさらされた。市内のあちこちで4000人余りのイスラム志願兵たちが、対米抗戦の意志を曲げずに抵抗し、散発的に戦闘を繰り広げた。
米英連合軍は、フセイン政権の最後の抵抗拠点であるイラク北部のフセイン大統領の出身地ティクリートと、彼がシリアに逃亡するのを防ぐため、シリア近辺の都市カイムに対する空襲を強化した。
連合軍は10日現在、イラク国土の60%を掌握しており、北部のティクリートとモスル、キルクークでイラク軍の抵抗を受けている。
一方、ブッシュ米大統領は「戦争はまだ終わっていない」と慎重な反応を見せた。
洪銀澤 euntack@donga.com