大量破壊兵器の開発、拷問殺害、不正腐敗…。イラクのサダム・フセイン政権をめぐるこれまでのうわさは、どこまでが真実だったのだろうか。バグダッドなど主要都市が連合軍に制圧されていくことを受け、フセイン政権に対する各種のうわさが悪性デマだったのか、事実だったのかが、一つ一つ判明されてきた。
▲人権弾圧〓拷問などの人権弾圧は相当部分事実だったことが分かった。中南部のナッシリヤでは9日、政権党のバース党所属保安軍の拷問室とみられる1階建の建物が発見された。光の入らない5個の掛け金がかかった独房には、取っ手の付いた発電機など電気拷問機具があった。集中監視対象の住民リストには子供たちの写真も貼ってあった。
南部都市のバスラでは「一度入れられると、なかなか出られない」ことで知られている秘密警察の刑務所が公開された。弟と一緒に入れられ、辛うじて自分一人は釈放されたというある市民は「彼らは革のムチで全身をたたいたり、天井にぶら下げたまま殴ぐったりした」と話した。収監者たちを感電死させたり、化学薬品に身体を浸し、手足の爪を抜いたり、焼きごてで背中を焼いたり、お湯をかけるなどの拷問が行われたという証言もあった。
▲大量破壊兵器〓米軍は移動式の実験室を備えた大量破壊兵器捜索チームを3グループ派遣し、化学兵器製造施設とみられる数カ所を捜索したが、まだ決定的証拠は見つかっていない。しかし、今週初め、バグダッド南東にあるバース党本部で、国連武器査察団を欺くための教本が発見されており、先週末にはナッシリヤ近くのユーフテス川の水中で、米海兵隊が毒物であるサイオナイドとからしガスの濃縮物質を見つけるなど、化学兵器開発の疑惑を裏付ける情況証拠が出始めている。
李基洪 sechepa@donga.com