イラクの首都バグダッドに続いて北部のモスルとキルクークを制圧し、フセイン大統領の出身地ティクリートを除いた全域を掌握した米英連合軍は、ティクリート陷落に向けた最終軍事作戦を開始した。戦後のイラク暫定統治機構設立に向けた動きも早まっている。
ブッシュ米大統領は、12日(現地時間)、週末恒例の全米向けラジオ演説で「フセイン政権が歴史の中へ消滅しはじめた」とフセイン体制の終末を公式に宣言した。
米国は15日、イラク南部のナーシリヤで、反フセイン活動をしてきたイラクの指導者らと米軍政以降の暫定統治機構設立の問題について話し合う計画だ。米中央軍司令部のソープ報道官は、11日「この暫定統治機構準備会談で、イラク自治体制の基礎原則が話し合われる」と述べた。
米軍空母の一部が帰還するなど、ペルシア海域の海空軍力も徐々に縮小する見通しだ。海軍のキーティング司令官は、12日「空母5隻のうちキティホークなど2、3隻がすぐに母港に帰る」と述べた。しかし米軍は、陸軍第4歩兵師団を最近クウェートからイラクに進撃させるなど、地上軍兵力は増加している。
米軍は、重要戦争犯罪者として指名手配したフセイン大統領ら52人の写真や役職などを図柄にしたトランプを配布し、検挙に乗り出した。
米軍はまた、フセインや過去のイラク政権の指導者の逮捕あるいは大量破壊兵器の発見に決定的な情報を提供した者に報奨金を与えることを約束した。
首都バグダッドでは市民による略奪行為が続き、無政府状態になっている。公共機関や国連の建物、韓国大使館などの各国の大使館はもとより、市内の病院の大半に暴徒が押し入って医療機器や薬品などを盗むなど、医療システムが崩壊している。米英連合軍は、町の秩序回復に向けて通行禁止を実施して治安の維持に乗り出すと、12日に発表した。
具滋龍 bonhong@donga.com