SK海運から2400億ウォンが煙のように消えてしまった。また「特殊な関係者」とされる第3者に資金を貸したが、530億ウォンが貸し倒れになっていることも明らかになった。
市場では、SKグローバルをはじめとする系列会社への支援に使われただろうとの見方が出ているが、SK海運は17日現在、使用明細の公開を拒否している。
SK海運は昨年、700億ウォンを上回る営業利益を出したが、このように外部に資金を貸していたため2200億ウォンの赤字となった。
SKグローバル事態に続いて、SK海運のこうした不透明な資金の取り引きと会計不正は、SKグループ全体に対する信頼度に大きな影響を及ぼすものとみられる。
▲会社外部に2900億ウォンが流出〓三逸(サムイル)会計法人が作成した02年監査報告書によると、SK海運は、コマーシャルペーパー(CP)を発行、2392億ウォンを作って誰かに貸しては短期貸与金として記載した後、年末に全額を損失処理した。SK海運がこの資金を誰に貸したかについて何の説明もしないまま資料提供を先送りしたため、三逸会計法人は17日「監査範囲制限による限定」意見を出した。
昨年の売上高約1兆1000億ウォンの20%を上回る金額を回して貸した後、数ヵ月後に損失処理したのは明白な会計不正だという説明だ。
また「特殊関係者」とされる㈱アサンに600億ウォンを貸した後、90億ウォンを回収し、延滞利子を含めて529億ウォンを損失処理したのも、不透明な会計処理の事例にあたるとしている。三逸会計法人は、会社の資金2900億ウォンが外部に流出された経緯に注目している。
金融界では、SKグローバルを支援するのに使われただろういうのが大方の見方だが、他の用途で使われた可能性もあるものと思われている。
▲SK海運、資金難乗り切れるか〓三逸会計法人は、SK海運の場合、今年1〜6月、2935億ウォンにのぼる短期借入金の満期が回ってくるが、これをきちんと返済できなれば苦境に陥るだろうとの見方を示した。
これについてSK海運は、営業利益と満期の延長、SK㈱やSKCの有償増資を通じて返済する計画であり、増資代金は1000億〜1500億ウォンにのぼるだろうと説明した。しかし、SK㈱は外国人が筆頭株主になり、経営不振に陥った系列会社への支援を行わないとの立場を示しているため、SK㈱がSK海運への増資を行うのは事実上難しい状況だ。
債権金融機関の関係者は「SK海運の短期借入金の残額は現在1980億ウォンに減ったが、現金準備高が850億ウォンの水準」とし「有償増資を除いた状況で、資金調達の計画を立てたが、そうするためには債権団が満期を延長してくれることが必ず必要とされる」と話した。しかし、SK海運が不透明な資金の取引きを行ったことによって、企業の信用度が落ちており、債権団が満期を延長してくれるかどうかは未知数だ。
一方、金融監督院は「SK海運が非上場会社であるため、韓国公認会計士会に監理を要請する考えであり、SKグローバルの粉飾会計を調べる過程で、両社の関係を調べたい」との立場を示した。
金斗英 李明宰 nirvana1@donga.com mjlee@donga.com