緊張に包まれた名勝負だった。
5日、米国バージニア州ウィリアムズバーグにあるキングスミルS&P(パー71、6285ヤード)で開かれた米LPGAツアー。今年に創設された大会の「ミケロブライトオープン」(賞金総額160万ドル)の最終ラウンド。
1打差の単独首位で出発した朴祉垠(パク・ジウン)選手は、シーズン初優勝に対する負担のためか、1番からティーショットを水に落としてダブルボギーをたたいた後、2番でボギー、4番で再びボギーをたたいた。優勝の入り口で挫折してしまった今シーズン開幕戦の「ウェルチスプライス・チャンピオンシップ」最終ラウンドを連想させるような雰囲気だった。
しかし、その後は、破竹の勢いで5番から3連続バーディーを奪って息を吹き返したが、「チャンピオン組」で正面対決をしたクリスティ・カー(米国)選手は、7番(パー5)でイーグルを記録して一気に2打差となった。以降、13番までは2人の選手がそれぞれボギーを1つずつ記録して小康状態に入った。
カーが、14番(パー4)でバーディーを奪って3打差に差を開けた時は、朴祉垠のシーズン初優勝は事実上、消えてしまったかのように見えた。
しかし、ここまでは名勝負のための前奏曲だっただけだ。本当の勝負は最後の4ホールの集中力で分かれた。カーが2番目のショットを森の中に飛ばしてボギーを叩いた15番(パー5)で、朴祉垠はバーディーを奪って1打差で追いついた。
この日のハイライトは、16番(パー4)だ。朴祉垠は、ティーショットがフェアウェー右側の木に当たって深いラフに落ちた危機状況で、7番アイアンでホールカップ5m地点につけた後、バーディーにつなげた。
一方、すでに直前のホールで集中力がとぎれたカーの2番目のショットは、あっけなくグリーン右側を脱した。3オン2パッティングで連続ボギーを叩いてしまった。1打差の再逆転に成功した朴祉垠は、難しい最後のパー3ホールである17番を簡単にパーセーブした。
最後の峠は、最終18番(パー4)だった。朴祉垠のティーショットが右側につけて深いラフに落ち、2番目のショットさえグリーン左側を越してラフに落ちた。カリー・ウェブ(オーストラリア)とロレーナ・オチョア(メキシコ)が通算8アンダーで、先に試合を終え、もしボギーを叩いたら、4人が延長勝負を繰り広げなければならない難しい状況。
しかし、朴祉垠がどんな選手であるのか。米ジュニアとアマチュア舞台で60勝をおさめた間、最終ラウンドを首位でスタートした大会で、1回も逆転負けしたことがないほど、度胸と底力を持っている選手だ。かなり難しい距離である4mものパーパットはスムーズにグリーンに沿って流れ、カップに入った。
去年7月のマック・マローン(カナディアンオープン)の後、10ヵ月ぶりに米選手の優勝を祈った多くの米国ゴルフファン、そして「ひょっとして」という気持ちで18番グリーンを去らなかったウェブとオチョアの希望まで飛ばしてしまったパーパットだった。
安永植 ysahn@donga.com