Go to contents

[社説]港湾マヒ、無秩序と放置が改革なのか

[社説]港湾マヒ、無秩序と放置が改革なのか

Posted May. 13, 2003 22:18,   

한국어

原則が狂いはじめると、社会的な混乱を収拾することが如何に難しいかは、この度の貨物連帯のストが克明に物語っている。訪米中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「原則に則って処理すること」を指示し、政府がスト決行の際には警官隊を投入するという方針を定めているにもかかわらず、釜山(プサン)支部がストに踏み切ったのは、狂ってしまった原則に対する軽視ないしは無視ともいえる。初めから原則に則って対応していれば、ストはこれほどまで拡大することはなかったはずだ。

身近な例として、慶尚北道浦項(キョンサンプクド・ポハン)支部のストに対する原則なき対応が、今日の災いを招いた。そして、その底辺には、現政府の宥和的な労働政策と、それによる貨物車両の車主や運転手たちの高まった期待値が位置づけられていると言うことができる。新政府がスタートした年であるにもかかわらず、今年に入り各種集団行動の頻度と規模が、大統領選挙のあった昨年並みの水準を示しているのも、改革に対する性急な期待感からくる社会雰囲気の弛みと、必ずしも無関係とは言えない現象だと思われる。

政界の職務遺棄もまた、状況を悪化させた側面が多い。ディーゼル油税の引下げ、持ち込み車主の労働者認定、勤労所得税制の改善—など、ストの核心的な争点は、いずれも政治の場で議論されるべき項目ではないだろうか。それでも与野党は、貨物連帯が実力行使を予告してから一週間も経った7日になって、ようやく論評や声明を出している。盧大統領が、現状把握すらできていない関係省庁の長官らを叱責した翌日のことだった。政府も政界も似たり寄ったりなわけだ。

貨物連帯のストは、その後も依然として、政界にとっては「対岸の火事」だった。形式的な論評や声明を数回出しただけで、党政会議や国会常任委員会の招集などといった、基本的な誠意すら示さなかった。与野党とも「血生臭い」内輪もめに気を取られるあまり、社会の至る所で次々と問題が露呈しているにもかかわらず、ろくに関心を傾けなかった。

気まぐれな原則などない方がましだ。無秩序を放置する改革はしない方がましだ。政府と政界は、今からでも気を取り直して、秩序を確立し原則を定めることに打ち込むべきだ。

不法な集団行動には、断固たる対応を示さなければならない。