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ゲーム理論でみたテロ…有効な予防方法は資金源封じ込め

ゲーム理論でみたテロ…有効な予防方法は資金源封じ込め

Posted May. 20, 2003 22:15,   

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世界各国が徹底的に備えるからといって、テロは予防できるものか。

好況と不況の景気サイクルのようなテロサイクル説を発表して、「9・11」テロの1年前に、大型テロが発生する可能性を予告していた計量経済学者ウォルター・アンダス、アラバマ大学教授とトードサンドラ、南カリフォルニア大学教授は、そうではないと考える。

米紙ウォールストリートジャーナルは19日、テロリズムに適用した2人のゲーム理論を紹介した。次は要約の内容。

ゲーム理論は映画「ビューティフル・マインド」を通じて知れ渡っている天才数学者、ジョン・ナッシュの理論「ナッシュ均衡」から始まる。ナッシュ均衡は囚人のジレンマを用いてうまく表現される。

物証なしに逮捕された2人組の強盗が、それぞれ別室で取調べを受ける。一人が自白すれば、自白した人は免罪府をもらえるが、自白していないもう一人は12年刑を言い渡される。二人とも自白すれば7年刑、2人とも自白しなければ証拠がないため無罪になる。結果は?2人とも自白するに決まっている。お互いに相手が自白することを恐れるからだ。2人とも沈黙すれば処罰されずに済むものの、結局処罰に至るのを「囚人のジレンマ」と呼ぶ。

テロも同じようだ。AとBという国があると仮定してみよう。Aがテロへの警戒を強化すれば、警戒の甘いBがテロに襲われる。Bはそれを承知しているため、テロへの警戒を強化する。結局、両国ともテロを強化することになる。しかし、テロリストは AとBのうち、いずれにせよ警戒が相対的にゆるい国をターゲットにするはずだ。この際、ベストの結果はAとBの両国ともにテロへの警戒をしないこと。しかし、現実は、AとBいずれもテロ警備に膨大な費用をつぎ込むものだ。だからといって、必ずしもより安全になるとは限らない。

その一例として、1973年米空港に金属探知機が導入されると、ハイジャクの件数は一年あたり70件から16件に激減した。しかし、全体のテロ件数には変わりがない。陸上の人質事件は1年あたり20件から48件、銃撃事件は20件から36件に増えた。76年、海外の米大使館に対する警備を強化すると、大使館への攻撃は1年あたり28件から20件に減ったものの、大使館の外で米軍と米外交官に対する攻撃は20件から53件に増えた。

ゲーム理論はゲームの参加者たちが理性的に判断するだろうと仮定している。そのため、テロリストたちをゲームの参加者としてみなすことには抵抗感がある。

しかし、テロリストは限られた資源で効果を最大化するため、徹底して「理性的に」判断し、テロの時期や種類、場所を決めている。このようなテロリストを相手にもっとも危険な態度は、テロへの戦いに全力をあげる米国のような国の「対テロ傘」に入ろうとすることだ。サウジアラビアの首都・リヤドで発生したテロがその最たる例だ。もっとも有効な手法は、テロに対する守備的な態度よりは、テロリストたちの訓練キャンプと武器庫、資金源を断ち切るのに集中することだ。



洪銀澤 euntack@donga.com