米上院は「小型核兵器の研究開発を禁じてきた法律を廃棄してほしい」というブッシュ大統領の要請を20日午後(現地時間)承認した。これによって、潜在的敵国の地下施設に対する有効な核攻撃の可能性が開かれた。
米上院は同日、1993年に、国際的な核拡散を防ぐため自国内の小型核兵器の研究開発を禁じる「スプレッド−パス」法を廃棄してほしいという米政府の要請をめぐり表決にかけた結果、51対43で通過した。
▲米政府「研究だけをする」?〓ラムズフェルド米国防長官は同日の表決に先立って「政府はこれらの兵器を研究するだけで、開発、配備、使用する計画はない」と主張した。
しかし、民主党の議員たちは「生産しない爆弾を研究だけするという主張は筋の通らないものだ。他の国に核兵器を開発するなと要求してきた米国の努力が台無しになりかねない」と強く批判した。米国防総省は現在、新型バンカーバスター核の研究に向けて、1550万ドルを議会に要請しているところだ。
AFP通信は、この新型爆弾は理論的に1000tのTNTを一度に爆発させた威力に匹敵し、30〜100mの厚さのコンクリートを突き抜くことができると伝えた。
▲小型核兵器、地下貫通力は強力だが…〓通常「小型核兵器(ミニニューク)」はTNT5000 トン以下級を指す。第2次世界大戦のとき、広島に投下された原子爆弾は1万5000トン級。
ミニニュークは、クリトン政権時代、包括的核実験禁止条約(CTBT)などに加入しながらも、「局地的な目標が攻撃できる」という長所のため、開発されはじめた。900万トンの爆発力を持つB53など、従来のバンカーバスターは、地下の目標に1度の衝撃を与えるのに止まるが、 B61—11のような新型バンカーバスターは「二重の衝撃効果」があるため、より深く隠されている目標が攻撃できるという。
ミニニュークは昨年1月、米国の「核態勢の見直し(NPR)」で初めて必要性が提起された。同年12月、米政府の核戦略報告書で「非核保有国に対する先制核攻撃禁止」条項が廃棄されて注目を集めた。
当時、米紙ワシントンポストは北朝鮮、イラン、シリア、リビアなどを潜在的な攻撃のターゲットとして取り上げた。ただ、ミニニュークは地表面に放射能被害をもたらすというのが問題。
ソウル大学原子力政策センターのカン・ジョンミン研究委員は「5000トン級の核爆発が地表面に影響しないようにするためには、地下約200m地点で爆発させなければならない。現存するどのバンカーバスターも起爆装置などが損傷しない状態で、それくらいの地下を突き通すことはできない」と指摘している。
朴來正 ecopark@donga.com