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「内憂外患」で苦しむ欧州

Posted May. 28, 2003 22:26,   

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欧州がニッチもサッチもいかない状況に追い込まれている。

27日、1ドルあたりのユーロ相場が史上最高値を記録したが、それを喜ぶ声はほとんど聞こえなかった。その代わりに「欧州経済の機関車」役を果たしてきたドイツとフランスでは、与党の支持率が最低記録を更新し、最悪のスト大乱のような憂うつなニュースでもちきりだった。

両国はイラク戦争の反対による米国の報復脅威から外交的な孤立にまで追い込まれ、文字通り「内憂外患」の状況。しかし、勝ち戦国の英国でも貧富の差が拡大し、戦争の勝利で一息ついていたブレア首相の労働党指導部を圧迫している。

▲「ライン川の神話」の墜落〓27日ドイツ民営放送RTLなどの世論調査によると与党・左派の社民党の支持率は25%で1週間前に比べ、さらに1ポイント低下した。与党の支持率が史上最低に落ち込んだのは経済がドイツ統一以降は最悪である上、伝統的な支持基盤である労組が背を向けているためだ。欧州経済の「成長エンジン」だったドイツ経済の失速は、欧州全域にしわ寄せを与えている。ドイツの失業者数も450万人(失業率11%台)をはるかに上回っている。

ドイツ経済の低迷は、社会保障費用の負担と過度な労働権保護のためだというのが専門家たちの見方だ。英紙ビジネスウィークは、構造調整と契約職雇用を不可能にする労働保護法、企業の社会保障費用などを、ドイツ経済失速の主犯にあげている。さらに90年以降毎年国内総生産(GDP)の4%を占める統一費用もドイツ経済の失速に拍車をかけている。

▲改革の痛み〓見かねたシュレーダー・ドイツ首相は最近「アジェンダ2010」という経済改革案を打ち出した。解雇要件の緩和など、労働市場の柔軟性アップ、失業手当と健康年金保険など、各種の社会福祉費用の縮小などがその柱。しかし、この改革案も労組と党内の反発で難航しそうだ。

年金改革で混乱を極めているフランスは27日、航空の大乱が発生したのに続いて来月2日午後から地下鉄と鉄道、通信、病院、郵便局など、国の機関網がマヒする見通し。1995年アラン・ジーぺ首相の右派内閣は3週間のゼネストにお手上げだったが、シラク大統領とジャンマリ・ルペン首相の右派政府は一歩も譲らない構えだ。

政府は年金税制の枯渇を憂慮して改革を要求するものの、ストを主導する側は年金改革のツケは労働者ではなく、企業の方に回すべきだとして反発している。

英国でもブレア内閣と労組のかけひきが続いている。英国の労組はドイツと同じように労働党の伝統的な支持基盤。しかし、ブレア首相が公共サービスの民営化を改革のアジェンダとしてかかげたことから、労組と党内の反対勢力の反発が強まっている。

最近の調査によると、左派でありながらも右派的な改革を行ってきたブレア首相が政権を握っている間に、保守党が与党だった時代より貧富の差が広がったことがわかる。

▲ユーロ高は「もろ刃の剣」〓1ドルあたりのユーロ相場が1.19ドルを超えるなど、史上最高値を記録したのは、ユーロが基軸通貨としての位置を確実なものにしていることを裏付ける。

しかし、ユーロ圏の輸出競争力には止めを刺すものだ。欧州中央銀行(ECB)によると、第1四半期にユーロ圏の貿易黒字幅は143億ユーロ(約20兆ウォン)で、昨年同期より半分程度減っている。

ドイツのビルツブルク大学のペタボピンガー教授は「足元の経済が厳しい状況でユーロ高は致命傷だ」と述べた。



朴濟均 phark@donga.com