教育行政情報システム(NEIS)施行の責任を事実上、学校長に一任した教育人的資源部(教育部)の発表を受けて、全国教職員労働組合(全教組)所属の教師が多い学校の校長、教頭たちが苦情を訴えている。また、教育界で何よりも急ぐべきことは、みぞが深まり、混乱を極めている教育界の雰囲気を和らげることであり、このためには尹鄹弘(ユン・ドクホン)教育副首相の退陣が避けられないという意見が、一線の学校と教育団体などから提起されている。
▲校長たちの悩み〓教育部の1日の発表に対して、より明確なガイドラインを期待していた校長や教頭たちは「すべての責任はわれわれが負えということか」と、不満の声をあげた。これまで全教組の教師たちの主張に押され、NEIS施行を見合わせてきたと主張するソウルA中学校のJ校長は、「教師たちに無条件で教育部の決定に従おうと説得してきたが、今はニッチもサッチもいかない状況になった」と、戸惑っている。
全教組の教師が全体の半分を占めるソウルB小学校の教頭は、「これまで全教組の教師たちの顔色をうかがっていたため、NEISへの移行作業を見送ってきた。そのため、学校はしばらく学校総合情報管理システム(CS)を使うしかない」と述べた。
これらは6ヵ月後、政府がNEIS施行を決めた場合、準備不足で学校はより大きな混乱に見舞われるだろうと憂慮している。
ソウルC中学校の情報化担当の教師は、「NEISの場合、担任や該当科目の教師しか成績を入力することができないため、該当教師がこれを拒否すれば他に方法がない。校長が他の教師に権限を与えることはできるが、そうしたら学校がめちゃくちゃになってしまう」と話した。
▲退陣の声、むしろ拡散〓教育部がNEIS施行を事実上認める方針を発表したが、尹教育副首相に対する非難の声は全教組だけではなく、韓国教員団体総連合会(教総)と校長団などの間でも広がっている。
教総は2日、声明を出し「国民全体の不信を受けている教育副首相の退陣だけが混乱と葛藤を解消する近道だ。尹教育副首相の退陣に向けた大規模な集会を7日行い、国民上げての署名運動を繰り広げるつもりだ」ということを明らかにした。
全教組の関係者は「尹教育副首相はこれ以上業務ができないようなので、あえて退陣要求をするまでもないと思う」と述べた。
参加連帯は「NEISと関連した方針をひっくり返して、社会の混乱を増した尹教育副首相が責任を負うべきだ」という声明を出した。
▲収拾策は〓NEIS施行による一線の学校の混乱を収拾するため、教育部と全国市道教育庁が対策に乗り出したが、今の状態では葛藤を解消することは難しそうだという反応だ。教育部は2日、全国市道教育庁情報化担当官会議を開き、収拾策を話し合ったが、一線の学校のNEIS使用を拡大させることの他は、これといった対策は出なかった。
ソウル大方(テバン)小学校の李承遠(イ・スンウォン)校長は「国家人権委員会の指摘事項を補完し、全教組の反発を抑え、いったん決まった政策は強力に押し進めるべきだ」と述べた。
学校現場の情報担当教師らで組織された「全国教育情報担当者協議会」は、「NEISの混乱を最小限に止めるため、問題点をより冷静に指摘し、批判と代案を模索する考えだ」という方針を明らかにし注目を集めている。
協議会は、これから全国レベルのNEIS運営チームと広報チームを新設し、地域別にNEISを教育し、問題の解決に取り組むNEIS実務チームと問題の解決に向けたサポートチームを運営することにした。
洪性哲 sungchul@donga.com