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[オピニオン]唯一の超大国

Posted June. 04, 2003 22:04,   

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世界で最も強い国の集まりであるG8(先進7カ国+ロシア)首脳会談が、米国の独り舞台に終わったという報道だ。各国の首脳らがブッシュ米大統領との個別会談にのみ関心を注ぎ、米国の顔色だけをうかがっていたため、一部では「G8無用論」まで取り上げられたという。脱冷戦が始まった1990年代以後、米国だけの力では世界をリードできないというのが大方の見方だった。しかし、G8会談が開かれる間に聞こえてきたのは、米一方主義の勝利を知らせるニュースばかりだった。ブッシュ大統領が閉幕を1日残して先に会談の場所を離れる姿は「パックスアメリカーナ」の下に置かれていることを宣言するデモンストレーションのように見えた。

◆90年代の学者らの予想を覆して米国が唯一の超大国の地位を固めるようになった背景には、かつてよりさらに強くなった経済力がある。国際戦略問題研究所(IISS)の統計によると、90年のロシア、中国、日本、フランス、ドイツ、英国の6大強国の経済力(GDP基準)は米国の1.7倍だったが(米国5兆4230億ドル対6大強国9兆510億ドル)、99年にはこの数値が1.2倍に減った(米国9兆2000億ドル対6大強国10兆8320億ドル)。米ジョージタウン大学のジョン・アイケンベリー教授は、「挑戦者なき米国」(2002年)という著書を通じて、90〜98年、米国の経済力が27%増加したのに対し、欧州連合は15%、日本は9%の経済成長に止まったと指摘した。この10年間、米国とその他の世界の経済規模の差が徐々に狭まり、そうした傾向は今後も続くだろうという話だ。

◆軍事力部門だけをみれば、米国の国力は文字どおり圧倒的である。情報・軍事専門家のブルース・ボコウィツ博士(米フーバー研究所)の最近著書によると、03年の全世界の国防費は7500億ドルで、このうち米国の国防費が3800億ドルだそうだ。これまで世界2〜15位国の国防費を合わせた額より多いと説明されてきた米国の国防費が、これからは世界のすべての国の国防費より多いと言い直されなければならないところである。さらに米国は、これから6年間、毎年200億ドルずつ国防予算を増やしていく予定だ。

◆専門家は9・11テロ以降、米国は目に見えぬ国力である国民の愛国心と国家戦略の面でも以前に増して強くなったと話している。10年以上、悩みの種だったイラクのフセイン政権をほぼ単独で、しかもわずか3週間で倒した米国だ。そうした米国を相手に北朝鮮が核開発を武器に「シーソーゲーム」を仕掛けようとしている、そばで見ていてもあまりにも不安でやりきれない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員



songmh@donga.com