米国防総省は、韓国と北朝鮮の軍事境界線にまたがる非武装地帯(DMZ)に隣接する駐韓米軍を後方に分散配置することを皮切りに、全世界に駐留する米軍を、永久に駐留する大規模部隊から小規模の機動軍形態へと全面的に再配備する作業に入ったと、米紙ワシントンポストが9日付で報じた。
米国防総省はまた、機動力の強化を目標に米陸軍の組職と構造を改編する方針だと、同紙は伝えた。
米軍の全面再配備は、冷戦体制終えん後に出現したテロ集団や潜在的な敵の脅威から米国本土を防御するため、先制攻撃を駆使するという戦略に基づいて行われる。
エンディ・ホーン国防戦略担当副次官補をはじめとする高官らは、米国はこれからグァムを含む米国領土と英国、日本のような密接な同盟国の駐留米軍のみを永久的な軍事力拠点として残すと明らかにした。一方、これまで米国が依存してきた韓国、ドイツ、トルコ、サウジアラビアの大規模基地は、数十の「前進作戦基地」となり、これらの基地には小規模支援部隊だけが常駐すると同高官は語った。
同紙は、複雑な今回の構想は、DMZ駐留米軍数千人の漢江(ハンガン)以南への分散配置やサウジ駐留軍の中東隣接国への移転発表で事実上始まったと報じた。
ホーン副次官補はまた、DMZを中心に布陣していた1万8000人の在韓米軍兵力をより機動的に再構成して、北東アジア地域の非常事態に対応させる計画であり、このうちの一部は、米本土に帰還して6ヵ月後に循環配置すると語った。
日本の沖縄に駐留する海兵隊約2万人(第3遠征隊)の場合、既存の基地やハワイ、グァムなどに分散配置する案を考慮しており、一部ではフィリピンに再び基地を置く案も検討しているという。
ドイツに駐留する約6万人の兵力は、第2次世界大戦後初めて全面見直しの対象となり、このうち相当数の兵力がひとまず本土の部隊に帰還して6ヵ月後に再配置される予定だ。
この場合、駐独米軍兵力は、ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどのバルカン半島隣接の東欧国家や南欧のスペイン、ポルトガルに移動し、他の一部はウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタンなどに分散する見通しだ。
ホーン副次官補は、「国防総省の新たな構想は、米軍は今後、地域に局限した対処戦略のみでは対応できないというところに焦点が合わせられている」として「米軍は、根本的な変化を必要としている全世界のあちこちで、より小さな部隊の形で迅速に対応する体制を目指す」と説明した。
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