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[オピニオン]学校のフェンス

Posted June. 11, 2003 22:06,   

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京畿道高陽市一山(キョンギド・コヤンシ・イルサン)新都市の鼎鉢山(チョンバルサン)公園周辺には垣根のない家が多い。垣根があったとしても大人の腰丈くらいの低さで、外部からの侵入を防ぐためのものというよりは装飾用に近い。道行く人は家の主が丁寧に手入れした芝生や花壇を観賞することができる。庭が一目に入るこの美しい街を背景に、放送局ではよくドラマをロケする。「垣根のない家」が公共部門にまで拡大されようとしているのか、公園不足の都市では、公共機関と学校が石垣を取り払い、地域住民に開放されるところが増えている。ソウル市では石垣を崩した学校には予算支援までする。

◆放課後の教室から女性教師が弾くオルガンの音が洩れ、ボールを蹴る子どもたちのはしゃぎ声が鳴り響く運動場の向こうに、首を重たげにかしげた黄色の稲が、波打つ田舎の学校の風景は年取った人たちの記憶の中で郷愁のように残っている。セメントブロック塀の代りに、カシワの木の生け垣が教師と運動場を取り囲んでいた。昔は、学校の周辺が子供たちに有害な文化で汚染されておらず、学校を社会から厳しく遮断する必要がなかった。だが、最近の都市の学校は大変様変わりした。学校環境衛生浄化区域を置き、学校周辺に旅館や娯楽施設が立ち入らないように規制しなければならないほど、学校は社会から隔離され、保護すべき施設となった。

◆米国の小中高校は隙間がないほどのフェンスに取り囲まれて、怪しげな外部人の接近を遮っている。道端で何気なくしていたことも、学校のフェンスの内側に入ってからは自分勝手に行動することはできない。フェンスの中ではタバコさえ吸うことがままならず、愛煙家は校門の前で一服吸って入る。小学校周辺の横断歩道は全て黄色に塗られ、運転者は格別に徐行し安全運転しなければならない。近隣住宅街の家は、垣根のない平和な様子を見せているが、学校は正門の一個所を除いては、徹底して外部と遮断されている。

◆垣根のない学区内で飲酒や運転練習をする人たちのために、学校当局が頭を抱えている。学校の許可を受けていない人たちが校内に勝手に入ってきて酒やタバコを飲み、子どもたちの前で有害な行動をするのを放っておくのは大いに間違っている。学校の垣根は生徒の学習の場を各種の社会悪から保護する機能を持っている。軒の下が見えないほど高くフェンスをこしらえ、その上に物々しくも鉄格子まではめ込んでいる住宅街をそのままにして、学校の塀から崩すのは、どうも順序が間違っているような気がする。そうでなくても、人命を害する誘拐犯罪がこと多く発生する時期なため、塀のない学校に子どもを送り出す親たちが不安がるのではないか、と気になるところだ。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com