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ブラジル、公務員年金制度の改革が難航

Posted June. 12, 2003 22:33,   

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国民からの高い支持を得て順風に帆を上げたように改革を推進していたブラジルのルラ大統領が逆風に吹きさらされている。

ルラ大統領が進めている財政改革の核心である年金制度の改革に反対して、数十万人の公務員が11日、首都ブラジリアに集まってデモを行った。ルラ大統領は同日、先月就任したアルゼンチンのキルチネル新大統領を迎えていたが、顔はこわばっていた。

国際通貨基金(IMF)と西欧の経済研究所は、累積赤字で危機に瀕しているブラジルの年金制度を改革すべきだと促してきた。とりわけ、公務員年金の場合は深刻な状況にある。公務員は退職後に現職給与の100%を受け取ってきた。権力層である判・検事、将校、国立大学の教授なども100%受け取るが、給与水準が非常に高いために年金受領額も高い。さらに、年金の受領権は本人の死亡後はその夫人に、夫人死亡の場合はその子息に手渡されるようになっている。このため、ブラジルの社会保障部門の財政赤字の規模は昨年240億ドルに達したと外信は伝えている。

ルラ大統領はこの年金制度の改革の一環として、公務員の退職年齢を引き下げ、毎月の年金納付額を増やすことを主な内容とした年金法の改正を急いでいる。この改正案で毎年13億5000万ドルの財政赤字分を埋めていくことができるとの計算だ。

だが、ルラ大統領が所属している与党の勤労者党(PT)の左派と公務員労組などは、「こうした改革は公務員と貧しい者たちを苦しめ、西欧の資本に媚びるようなことだ」とし、就任以来、初めての攻撃を加えた。

だが、勤労者党の指導部は、「改革の核心精神は決して変えることができない」とし、ルラ大統領に支持を送っているため、今月の法案通過をめぐって激しい攻防戦が繰り広げられる見通しだ。



權基太 kkt@donga.com