企業の投資心理をあおるため財政経済部(財経部)が進めている法人税引下げ方針に対し、大統領府が「短期的な実益がない」としてブレーキをかけ、関連法律の年内改正が不透明になった。
大統領府高官は12日「財経部の方針通り、年内に法人税引下げに向けた税法の見直しを行っても、各企業が実際に恩恵を受けるのは再来年ごろ」とし「法人税の引下げは、冷え込んだ景気の回生には適していない政策だ」と否定的な見方を示した。
同高官は「法人税引下げ問題は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が大統領候補時代から公約として反対していた懸案だ」とし「景気浮揚の効果が不透明な状況で、法人税引下げの方針に同調するのは難しい」と話した。
大統領府ではまた、税制専門家の金振杓(キム・ジンピョ)経済副首相が、経済政策を執行するにあたり、税金政策に依存するのは望ましくないとの立場をみせている。
大統領府関係者は「各大手企業が集中的に恩恵を受けるようになる法人税の引下げよりは、企業の投資を妨げている各種の規制を徐々に撤廃していくことの方が、より急務だ」とし「特に、盧大統領が企業の現場を直接訪問する機会を増やし、企業の投資マインドの活性化に力を注ぐ考えだ」と説明した。
このため当初、税制発展審議委員会と経済政策協議会などを経て、年末までに法人税引き下げに向けた税法の改正を図っていた財経部の方針に影響が出そうだ。
これに先立ち、金副首相は最近、国会・経済分野での答弁と記者懇談会などで「専門家らの意見を聴取し、法人税率引下げの時期と幅を検討する考え」とし「年内に法人税率の引下げに向けた法改正を進めたい」と述べたことがある。
崔永海 yhchoi65@donga.com