Go to contents

想像を刺激してこそ本物のアダルト映画

Posted June. 19, 2003 22:19,   

한국어

27日に封切られる映画「美味しいセックス、そして愛」のボン・マンデ監督(33)は、16mmポルノビデオ監督の出身。この映画は、ボン監督の映画デビュー作となる。

ボン監督は、自らのヌード写真を映画のパンフレットに載せる型破りな行動で「凡人ではないはず」との先入観を抱かせた。

「インタビューの中で一番多く聞かれるのが『なぜ監督が脱いだのか』という質問でした。本気で脱ぐつもりじゃなかったのですが、成行きでそうなっただけでして…。でも面白くありませんか?脱いだという事実だけでこんなに驚くなんて」

「美味しいセックス…」のストーリーは、一行で要約できる。若い男女が、出遭うや否やセックスを交わし、同棲のすえ、些細な誤解から別れてしまう。極めて単純なストーリーだ。ポルノビデオ同様、この映画もストーリーは映像のための付け合わせにすぎないのだろうか。

「ストーリーは簡単ですが、筋は通ってます。大概、ポルノビデオを見る時、エッチなシーンが映らないと、すぐに『早送り』ボタンを押しますね。ところが、この映画はストーリーがあるために、観客が自分自身を劇の中に移入することができますし、性的幻想がさらに増幅されるような気がします」

ボン監督はこの映画を「如何にエロチックか」の観点のみで期待することに、多少不満の様子だった。この映画には「美味しいセックス」だけでなく「そして愛」があるというのだ。

「初めから激しいセックス・シーンが出るので、観客はとりあえず「美味しいセックス」に関心を持ちます。ところが後半に向かうほど、セックスは退屈なものなってきます。その時から観客は「そして愛」について考えるようになるはずです。

ボン監督は、ポルノビデオ業界では「作家主義」監督と呼ばれている。「鮭」「二千年」「貴公女」の中で、ストーリーと優れた映像美を披露し、監督の名前がビデをを選ぶ条件となったこともある。

「『作家主義』ですか?ハハハ…。一度もそんなこと考えたことがありません。ただ、大げさに『喘ぐ』映画は嫌いです。本当にエッチなものは何だと思いますか?『節制』です。それ以上を想像させるからです」。

ボン監督は、撮影の度に役者の演技を、スタッフ相手に演じて見せる。この映画のホームページに掲載された「メーキングフィルム」を観ると、ボン監督の隅に置けない演技を確認することができる。

「『役者まかせ』とは言えません。以前、ポルノビデオを撮っていたころ、雪原で情事のシーンを撮ったことがあります。役者たちは、寒くもあり恥ずかしくもあるんですね。それで、監督の私が先に脱いだんです」。

ボン監督は、元々演劇俳優だった。光州(クァンジュ)に生まれ育った監督は、クァンドク高校2年の時から大小の舞台に立ったものの、4年で止めてしまった。訛りが強く、外見が優れていないというコンプレックスのためだった。以後「帰ってきた孫悟空」などの映画で助監督を務め、1999年「東京セックスピア」でポルノビデオ業界に進出した。

ボン監督は、これからもポルノ映画に専念するという。「性」に対する韓国社会の偏見を解消し、より率直な世の中になることを願う気持ちを込めて…。

「ポルノ映画は、先ず手掛ける人が少ないうえに、創ったといえば変な目で見られるでしょう。皆が遠ざけるからこそ、かえって私は近づきたくなるんですね。人がやらないことをすると面白いんですよ。一度やってみて下さい」。



金秀卿 skkim@donga.com