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李承鎏、300本塁打目前でたじろぎ

Posted June. 19, 2003 22:15,   

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嵐のような勢いで本塁打を打ちまくった李承鎏(イ・スンヨプ、27、三星)がたじろぎを見せている。

6月に入り9本塁打を放った李承鎏は、通算300本塁打まで後2本を残しているなか、相手チームのけん制で本塁打を打てずに3試合をすごした。3試合連の本塁打ゼロとなったのは6月になって初めてのこと。しかし、チームは勝ちつづけており、7連勝で首位奪還を目前にしている。いわゆる「李承鎏」効果を十分に享受しているのだ。

6月10日のロッテ戦で3本塁打を打ちまくり、通算297号を記録してから相手チームのけん制が集中した。以来6試合で李が得た四球は実に10個。キャッチャーが立ち上がってボールを受け取る敬遠はないが、実際には意図的な四球が多い。投手はストライクでない誘い球をよく投げる。「だませれば最高、そうでなければそれまで」と言うわけだ。

相手チームは勝利のためには仕方がないという立場。本塁打1本で勝敗が変わるかもしれないからだ。しかし、観衆たちはつまらなくてたまらない。18日の蚕室(チャムシル)球場では、5回、李に四球を与えると、興奮した三星のファンがグラウンドに飛び込むというハプニングもあった。

投手がストライクを投げないところで、バットを振るうわけにもいかない。悪いボールに手を出すと打撃フォームのバランスが崩れるからだ。李がよく四球を選んでいるのは、誘い球にだまされないからでもある。

しかし、李には余裕がある。彼は「99年、同じようなことを経験している。あせらない。自分のペースさえ守っていれば、必ず本塁打が打てるはず」と落ち着いている。ただ、「蚕室球場では今年本塁打が一本もなかったので、ぜひ打ちたかった。それができなかったのが残念だ」と付け加えた。

「縁起の悪い9」という話がある。大記録を目前に控えた状態で一時的なスランプに陥ったり、試合がうまくいかないとき「9の数字にかかった」という。

ヘッテ監督時代の金応龍(キム・ウンリョン)監督は、プロ野球初の1100勝を達成した監督になるまで、1099勝目から6連敗を喫しており、2001年の鄭鏜台(チョン・ミンテ、現代)は19勝目から20勝目になるまで1ヵ月10日もかかった。

「9の数字」は韓国だけのものではない。米大リーグで20勝とサイヤング賞受賞をそれぞれ6回も達成している「ロケットマン」ロジャー・クラマンス(ニューヨーク・ヤンキース)のような大物投手も今シーズン、通算300勝に1勝を残し、3試合の先発登坂で2敗するという「9の数字」で悩まされた。

李承鎏は99年シーズン最多本塁打更新に後1つを残した状態で1週間本塁打が打てず、やっと8月2日、大邱(テグ)のロッテ戦で43号本塁打を放ったということがある。

最近、三星と対戦するチームは三星ではなく李承鎏への対応を気にする。大記録のいけにえにはなりたくないからだ。李のおかげで他の打者に対するけん制がおろそかになっている。李のすぐ後の4番打者馬海泳(マ・ヘヨン)は18日、蚕室のLG戦で3打数1安打3打点を記録したあと、「ぼくが監督だとしても李承鎏は四球で逃げ、ぼくと勝負させると思う。しかし、それこそぼくが望むところだ」と強い自信を示した。

李が四球になる回数が多くなるほど、走者が塁にたまる機会も多くなり、強力な三星打線は絶対その機会を逃さない。今シーズン平均得点が5.7点の三星は、最近7連勝で一試合当たり6.7点をとり、ゲーム当たり1得点が増えた。



金相洙 ssoo@donga.com