世界上位2位の石油消費大国である日本と3位の中国が、ロシアシベリア油田の石油パイプライン建設問題で激しい競合戦を繰り広げている。
推定埋蔵量が最大100億バレル、1日生産量100万バレルに達する同油田のパイプライン東端が中国黒竜江省大慶(大慶ルート)となるか、日本に近いロシアのナホトカ(ナホトカルート)になるか、ロシアが早晩決定する予定だからだ。
よって、日本の川口順子外相は先月28日、29日にロシアのウラジオストクでロシアのフリステンコ副首相と緊急会談を開き、11時間にわたるマラソン交渉を行った。日本はすでにナホトカルートの建設が決定されれば、建設費50億ドルを全額貸し付けると明らかにしており、今回は貸付条件を緩和し追加支援まで提案した。
だが、29日にフリステンコ副首相は、「経済、技術、地理的条件を総合検討した後に決定する」とのみ答えた。
ロシアが日本の提案に消極的な理由は、「大慶ルート」がはるかに短く経済性があるからだ。バイカル湖近くのアンガルスクから始まるシベリア油田のパイプラインは大慶までは長さ2400km、建設費25億ドル。だが、ナホトカまでは長さ3800kmに建設費は50億ドル規模。採算を合わせるためには、大慶ルートは年間2000万トンを輸出すればよいが、ナホトカルートは年間5000万トンを輸出しなければならない。
ロシアは本来パイプラインを二つとも建設する計画だったが、経済難と技術的な条件のために確定を引き伸ばし、今年初めに一つのルートだけを建設すると発表した。ほかのもう一つのルートはいつ建設するか未確定である。
これに中国の胡錦濤主席が先月プーチン大統領と会談し、大慶ルートの建設費として17億ドルを援助することにし、ロシア石油大手のユコスが中国石油天然ガス集団公司(CNPC)に、25年間石油を供給することに予備契約をした。
中国は先手を打ったために余裕を見せているが、日本の場合は石油輸入の88%を占める中東の情勢が非常に不安定なため、ナホトカルートを通じて安定的な輸入先を確保しなければならない切羽詰った状態である。
日本は現在、ロシア極東州政府がナホトカルートを積極的に支持しており、ナホトカルートの建設で日本はもちろん、北米まで輸出できることを強調している。
權基太 kkt@donga.com