新しい労使関係のモデルをめぐって政府と経済界、労働界が正面衝突する動きを見せている。
全国経済人連合会(全経連)は2日に「新労使文化確立のための、我々の誓い」を発表して、「法治主義の労使文化を確立するために、労組の不法行為に対して厳しく対応する」と決意した。全経連は「労組の不法ストなどに対して損害賠償訴訟、仮差し押えなどあらゆる民事・刑事上の法的措置を講じる」と強硬な対応方針を明らかにした。
全経連が打ち出した「新労使文化」とは、市場原理と労使自律で労使問題を解決することを原則とするが、政府は不法行為に対しては懲罰する方針だ。これは典型的な英米式の労使モデルだ。
これは大統領府が欧州式の労使関係のモデルを示すとしたのと異なるもので、これからの労使関係の先行きが注目される。李廷雨(イ・ジョンウ)大統領政策室長はこれに先だち1日、「労社関係の新しい枠組みを近く用意する。労組は、賃上げを慎む代わりに制限された範囲内で(経営)参加の保障を受け、労使政の枠組みの中で労使問題を自律的に調整するオランダ式のモデルにしなければならない」との見解を明らかにした。
全経連会員社の最高経営者と労務担当役員59人はこの日、ソウル汝矣島(ヨイド)の全経連会館で「新労使文化」決議大会を開き、「鉄道労組に対する政府の対応は望ましい労社関係を構築する転換点になった。今後とも、こうした慣行を定着させなければならない」と主張した。
財界は、決議文に△不法行為に対する告訴、告発を取下げする慣行の根絶△スト期間に賃金を補填する誤った慣行の改善△労組先住者の給与は労組が自ら負担する△過度な雇用保護緩和のための努力—などを盛り込んだ。
これに対して、韓国労総は2日の声明で「全経連の発表は労組を無力化し、労働者のさく取を強化するというもので、労組に対する宣戦布告と同じだ」と強く反発した。
民主労総も「政府の強硬な労働政策に合わせて、財界も労働界を圧迫している。各事業所の賃金と団体協約の交渉は難航が予想されるうえに、労働界の闘争も一層強まるだろう」とした。
労働界は、李政策室長の「オランダ式の労使政合意モデル」発言に対しても露骨に反感を表した。財界の力に押されて発足4ヵ月で保守に戻った政府が労使政合意の外見だけ揃えて、巧みに労働運動を弾圧しようという狙いだとみている。
民主労総の朱鎮宇(ジュ・ジンウ)非正規事業室長は、「左派政党である社会党の長期執権で労使間の力のバランスを成したオランダのモデルを取り入れるのは、中味なしに外見だけを揃えようとするもの」だと、批判した。
申然鐏 鄭景駿 ysshin@donga.com news91@donga.com