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[オピニオン]ストの限界

Posted July. 06, 2003 21:49,   

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労働組合は産業革命後の英国で、労働者の劣悪な労働条件を改善するための闘争過程で誕生した。それも自由な活動が公認されはじめたのは1824年ごろだというのだから、その歴史はまだ200年にもならない。韓国では1898年に咸鏡北道城津(ハムキョンブクド・ソンジン)で47人の港湾労働者が組合を結成したのが最初とされている。その後、日本による植民地時代の1920年代初頭、釜山(プサン)で起きた港湾労組の賃金引下げ反対ストと釜山朝鮮紡織労働者のストが有名だ。独立直後、左翼系が主導していた朝鮮労働組合全国評議会(全評)と、これを打倒するために結成された大韓独立促成労働総連盟(大韓労総)のイデオロギー対立が激しかったために、韓国の労組の運動は発足当初から民族的、イデオロギー的な政治性を帯びていた。

◆労働組合は「労働組合および労働関係調整法」でも明示しているように、労働者が主体となって労働条件の維持・改善、労働者の経済社会的な地位向上を図ることを目的に組織された団体もしくはその連合体を意味している。よって、ストを含めた労組の争議行為も当然、労働条件の維持・改善や労働者の経済社会的な地位向上というその存立目的の枠内で行われるべきだ。であるからストそのものが制約と限界を持っているといえる。裁判所の判例も、いわゆる政治的なスト、経営干渉目的のスト、同情ストなどに対しては、こうした原則に則って、おおむね不法ストとみなしている。

◆最近の全国教職員労働組合(全教組)の年次休暇闘争、朝興(チョフン)銀行の労組や鉄道労組のストは、法が定めた調整手続きを経ていないなど手続き上の問題以外にも、ストそのものが労組活動の目的範囲から外れたと思われることに問題の深刻さがある。ストの名分として掲げた教育行政情報システム(NEIS)問題、銀行統合以降の一時的な独立経営の保障、鉄道構造改革法案の立法阻止というような労組の要求事項は、どれをとっても労働条件や労働者の地位とは直接関連のない、政治・行政的な問題であり、経営上の問題に近いからだ。

◆労働組合に対する先進国の立法政策も、禁止と弾圧から放任の過程を経て、法的保護という手順を踏んだ。今はむしろ労組の権限乱用に対する規制に重きに置くのが一般的だ。外国の例を挙げるまでもなく、労組の集団行動が労働者の生存や福祉のための純粋な目的から外れた場合、まず国民からそっぽを向かれるしかないという事実を、労組指導者は特に肝に銘じなければならない。

鄭城鎮(チョン・ソンジン)客員論説委員(国民大学総長) sjchung@kookmin.ac.kr