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[オピニオン]義兄弟

Posted July. 16, 2003 22:01,   

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歴史上最も有名な義兄弟は、三国志の主人公、劉備、関羽、張飛である。することもなく無駄飯を食っていた3人は、義兄弟の契りを結んだ後、黄巾賊の乱を機に歴史の表舞台に登場し、一世を風びする英雄となる。この3人の桃園結義が義兄弟を象徴する言葉となったのは、彼らが生涯兄弟としての義を破らなかったからだ。義兄弟の契りを結ぶということは、肉親ではないが、兄弟のごとくに人生を共にしたいとの意思を、互いに確認しあう手続きである。

◆義兄弟の契りを結ぶ慣習は、洋の東西を問わず古くから行われていた。ギリシャ神話や北欧の神話に登場する人物たちも義兄弟を結んでおり、西遊記の中で唐の太宗は、インドに旅立つ玄奬法師と義兄弟の契りを結んでいる。しかし、これは男性だけの専有物ではなく、金萬重(キム・マンジュン、朝鮮時代の文官、小説家、号は西浦)の小説『九雲夢』には、主人公楊(ヤン)氏の8人の夫人が、皆義姉妹となって仲良く暮らしたという下りがある。しかし、義兄弟の契りを結ぶことが、常に純粋な意図で行われるものではなかった。モンゴルの遊牧民には、他の部族の実力者との間で義兄弟の契りを結ぶ「アンダ誓約」という慣習があった。互いの血を混ぜて飲んだり、衣服や腰ひもを交換する儀式を通じて人為的な血縁関係を結び、対等な連合関係を築いた。ところが、義兄弟となった後でも、利害が衝突すれば容赦無く別れ、互いを隅々まで知り尽くしている敵に変っていった。

◆韓国人は、性格的にずばりものを言うタイプであるため、初対面の人であってもすぐに意気投合したり、義兄弟となる場合も多いと言う。とりわけ、スポーツ選手や芸能人たちは、熱烈なフアンだけでなく、お互いの間でもよく義兄弟の契りを結ぶことがある。南北のバスケットボール選手が海外の大会で仲良くなり義兄弟になったとか、有名な野球選手が親しい歌手と義兄弟の契りを結んだというニュースも、よく耳にする。最近、核家族時代の子どもたちに兄弟をもたせるという趣旨から、全校生徒が義兄弟の契りを結ぶ催しを開いた小学校が話題になったことがある。恵まれない子どもたちと、団体ぐるみで義兄弟の契りを結んで支援活動を行っている学生たちの、心温まる話も伝えられている。

◆一方、互いを利用するための義兄弟もある。いわゆる「組織」の人たちは、組織の結束を固め、部下に忠誠を誓わせる手段として義兄弟の契りを結ぶ。ところが、このような「闇の結束」は、人間的な絆で結ばれたものではないため、利権がなくなればこの結束も崩壊するものだ。大統領府に出向していた警官が、政界へのロビー疑惑で国中を騒がせているグッドモーニングシティーの役員と義兄弟の関係にあったということが暴かれた。犯罪者を取締るべき警察が、詐欺師集団の一員と桃園結義をして何を望んだのであろうか。商店ビルの分譲資格を得るために20〜30年もの間貯めてきた財産を投じて、あっけなく棒に振ってしまった被害者たちが可哀相だ。

金尚永(キム・サンヨン)論説委員 youngkim@donga.com