監査院は21日、韓国政府が対北朝鮮軽水炉事業に「無利息の」資金を提供したため、南北協力基金の不健全化が進み、2029年までに同基金が13兆8004億ウォン(約1兆3800億円)の債務を抱えることになりかねない、との見方を示した。
監査院は同日、今年4、5月に行った「基金管理と運用実態」の監査結果を発表し、「南北協力基金が、軽水炉事業を行う韓半島エネルギー開発機構(KEDO)には無利息で資金を貸しているが、国庫の公共資金管理基金からは年7%の利子を支払って資金を借りているため、利率の差だけ、基金が不健全化する恐れがある」と明らかにした。
統一部は、対北朝鮮軽水炉事業に必要とされる総事業費5兆600億ウォン(約46億ドル)のうち70%にあたる3兆5420億ウォン(約32億ドル)を、南北協力基金から借款することに決め、1998年から昨年まで、公共資金管理基金が国債の発行で調達した9271億ウォンを借りている。
監査院の推算によると、利率差のため、元利金が全額返済される2029年(軽水炉完工、09年の20年後)になると、「差額」は13兆8004億ウォンにのぼるという。
監査院の関係者は「現在としては、南北協力基金はこれといった収入金がないため(これを補填するためには)対策を講じなければならない」と話した。政府は、一時、差額を補填するため、電気料金に軽水炉費用の項目を入れる方法を検討したが、取りやめた経緯がある。
一方、監査院は、基金監査の結果を通じて、政府省庁が運用する情報化促進基金など24の基金を長期的に政府予算に吸収、統合させることを企画予算処に勧告した。
監査院が廃止を勧告した基金は、情報化促進基金のほかに△国際交流基金△放送発電基金△観光振興開発基金△文化芸術振興基金△国民体育振興基金△女性発展基金△報勲基金△青少年育成基金△文化産業振興基金などだ。
監査院は「政府予算が基金予算に分離されれば、政府全体としては急務ではないとしても、基金の目的には一致した事業に血税が流れていく可能性がある」とし「問題になった24の基金は、政府予算に統合されるのが望ましい」との立場を示した。
金昇鍊 srkim@donga.com