「現在父の健康が思わしくなく、願いがあるとすれば、長男として生前に父に会って、親不孝をわびることだけだ」
米国の軍事機密を駐米韓国大使館の海軍武官に渡した疑いで、1996年9月に米連邦捜査局(FBI)に逮捕され、懲役9年を言い渡され、7年間米ペンシルバニア州のエーロンウッド連邦刑務所に服役中のロバート・キム(韓国名:金在坤・63)氏。キム氏は、自分の後援会発足式を前に、後援会側にこのような願いをこめた手紙を送った。
27日午後、ソウル市中区小公洞(チュング、ソゴンドン)のロッテホテルで開かれたロバート・キム後援会発足式は、キム氏が韓国社会で「忘れられた存在」でないことを見せつけた。
97年と99年に結成されたロバート・キム救命委員会と釈放委員会を一つに統合する後援会発足式には、キム氏の夫人チャン・ミョンヒ氏(60)と弟のキム・ソンゴン国立中央青少年修練院長ら家族や親類、柳在乾(ユ・ジェゴン)議員などの国会議員や弁護士、市民など、約3000人が出席した。夫人のチャン氏は、キム氏の代わりに後援会に感謝の意を伝え、手紙を読み上げると、出席者は静かに耳を傾けた。
キム氏は、この手紙で、「刑務所で多くの激励の手紙と愛のこもった贈り物をもらった。これらにどのように報いるか約束できないが、神様が忘れずに必ず応えてくれると信じる」と述べた。
ロバート・キム事件当時、彼から情報を受け取った当事者のペク・ドンイル氏(55、予備役海軍大佐)は、キム氏と情報交流をした当時の状況を伝え、「キム先生は罪より重い刑を受けて服役中だ」とし、「キム先生が伝えた北朝鮮関連情報は、政策樹立に役立ち、キム先生は祖国のために犠牲になった」と訴えた。
李ウンジン後援会長(38、結婚情報会社ソンウ代表)は、「後援会は、スローガン的な行事を排し、キム氏が釈放された後、正常な社会生活ができるように助けるなど、実質的な手助けをする活動を行う」と語った。
後援会はさらに、キム氏の保護監察期間が減刑されるように活動する計画だ。
ロバート・キム氏は、9年の刑を宣告されたが、真面目な服役生活で模範囚と認められ、刑の15%が減刑されて、2004年7月27日に出所予定。しかし出所しても、保護監察期間(3年)は、米国を離れることができない。
金晟圭 kimsk@donga.com