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[オピニオン]スピン・ドクター

Posted July. 28, 2003 21:32,   

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「真の副首相」と呼ばれた英国のキャンベル首相広報首席が近く辞任するようだ。

10日前に自殺したデービッド・ケリー博士が、「情報報告書にイラクが45分内に大量破壊兵器を実践配備できることを挿入するように指示した人物」と見られているまさにその人だ。当時、キャンベル首席は怒って否定した。しかし、ケリー博士の録音テープを持っている英BBC放送は、彼の介入を間違いない事実とみる。本格的な真相究明の手続きが残っているが、報告書の提出直前にキャンベル首席が会議を招集し、巧みな方法で文句を変えたことを議会で突き止めたと、英タイムズ紙は伝えている。

◆9年間ブレア首相のスポークスマンとして、「今日の首相をつくった人物」と言われたキャンベル首席。しかし彼には、スピン・ドクター(Spin Doctor)というニックネームがつきまとう。政治的目的のためにニュースを歪曲・操作する人という意味だ。スピンとは、元々野球投手が投げるカーブに由来するが、最近のような政治的含意は、1984年に、ニューヨーク・タイムズ紙の社説で始まった。米大統領候補のテレビ討論が終わると、記者室にスピン・ドクターたちが押し寄せ、自分の側に有利なように広報技術を発揮したという内容だ。彼らスピン・ドクターは、最近になって政治家よりも視線を集める。キッシンジャーの言葉どおり、政治が偉大な媚薬なら、政治を華やかな言葉で覆い、名を上げるのがまさにスピン・ドクターなのだ。

◆キャンベル首席の広報哲学は、「国民に政府のメッセージを確信させるには、強力なこぶしが必要だ」である。元タブロイド新聞記者で一時小説を書いていた経歴を土台に、本質よりも包装、真実よりもイメージに気を使った。操作、攻撃性そして創意力を武器に、マスコミを威かくして「衝撃と恐怖の政治」を陣頭指揮したという評もある。もし彼のニュース操作で、英国がイラク戦争に参加し、ブレア首相の政治的生命が危うくなるなら、「スピンで成った政権はスピンで亡びる」というブレア首相の政敵だったウィリアム・ヘーグ元保守党党首の言葉が、恐ろしい予言になるわけだ。

◆首相室は、キャンベル首席の辞任を公式には否認する。辞任を発表すれば、彼の過ちが公式化するため、「自然に」退くようにするだろうと、英国のマスコミは見ている。国民の目と耳を覆い真実をろう絡してきたスピン・ドクターの一人が去ることは、喜ばしいことだ。しかし、見逃してはいけないことがある。キャンベル首席を怒らせた本当の原因は何かということだ。権力者を差し置いて「権力の口」だけを非難することは、月より月を指す指を責めるのと同じことだ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com