Go to contents

[社説]蝟島住民への現金補償は明確な基準のもとで

[社説]蝟島住民への現金補償は明確な基準のもとで

Posted July. 28, 2003 21:31,   

한국어

全羅北道蝟島(チョンラブクド・ウィド)の住民が放射性廃棄物処理場の誘致を決断したことは、20年近く宙に浮いていた国策事業が実現する基盤を整えたという点で、全国民から賞賛されるに値することだ。政府が蝟島の住民に現金補償の推進を決めたのも彼らの勇気と犠牲に対する見返りという意味合いがある。どの地域もが拒否した嫌悪施設を受け入れることにしたという点で、一定の現金補償を行う必要性は認められる。

しかし、国策事業に対して現金補償を行った前例がないことから、心配されることが一つや二つではない。ともすれば悪い前例として残って、ニムビー(NIMBY)施設の建設に莫大な補償費用がかかり、住民の説得がさらに難しくなる公算が大きい。現金補償のない扶安(ブアン)郡民の疎外感が膨れ上がり、事態を悪化させる恐れもある。

韓国水力原子力(株)は、3000億ウォンの特別支援金の全額が現金で補償されるかのように広報して、住民に過度な期待感を持たせる過ちを犯した。こうした状況下で政府が住民が満足できるような水準の現金補償を行えるかという疑問も生じる。蝟島には670余りの世帯に1400人余りの住民が住んでいるため、補償総額はそれほど大きくないと予想されるが、今後の国策事業を視野に入れて、補償の基準と原則ははっきり決めなければならない。

何より誰もが納得できる現金補償の名目がなければならない。補償名目が曖昧であれば、これから原発施設やゴミ処理場など嫌悪施設を建設するたびに、住民との摩擦は避けられないだろう。できるだけ現金補償を縮小し、地域開発事業、住民子女への奨学金支援、韓電関連施設への就職斡旋など、間接支援を拡大するのが望ましい。敷地選定以後の転入者は補償対象から外すことで投機性転入を阻止しなければならない。

ほとんどの住民が誘致に賛成する蝟島とは違って、扶安郡の誘致反対の動きは和らぐ兆しを見せていない。扶安郡民は 放射性廃棄物処理場 によって観光客が減るのではないかと心配している。政府は、扶安郡民に対しても透明な情報公開で漠然とした不安感を解消し、観光開発事業などの支援対策をまとめなければならない。