Go to contents

起訴された脱北者手引き人に脱北者らが善処を嘆願

起訴された脱北者手引き人に脱北者らが善処を嘆願

Posted August. 08, 2003 22:06,   

한국어

「私の家族の人生を、地獄から天国に変えてくれた、ありがたい方です」。

8日午後、ソウル地裁の第309号法廷。ソウル地裁・刑事控訴第3部(黄京男部長判事)の審理で行われた、北朝鮮脱出者の韓国入国あっ旋業者、李被告(37)への控訴審結審の公判に、証人として出席した金(キム、72、女)さんは、切実な声で証言をつづけた。

「大半の北朝鮮脱出者が、中国で公安当局の監視を避けて悲惨な生活をしており、わたしも3回も、韓国入国をあっ旋する組織に騙され、韓国には来れないまま、数千万ウォン(約数百万円)をとられたりもしたました」。

金さんは震える声で、北朝鮮脱出者の悲惨な生活について証言した。そして「李先生は、心から北朝鮮脱出者の苦痛を理解し、助けてくれた」とし、李被告に対する善処を要請した。

李被告は韓国のパスポートを偽造し、1人当たり1000万ウォン(約100万円)を受け取って、中国に滞在している北朝鮮脱出者およそ60人を、韓国に入国させた疑い(公文書の偽造など)で、今年5月に身柄を拘束、起訴され、第1審で懲役1年の実刑を言い渡された。

しかし、他の入国あっ旋組織の場合、1人当たり2500万ウォン(約250万円)以上を受け取るのが普通で、それさえも詐欺である場合が多い状況だが、李被告の場合、中国公安当局に渡すわいろ、偽造するパスポートの購入費などを考慮すると、巨額を儲けるため、こうしたことに関わっていたわけではないだろうというのが、北朝鮮脱出者らの説明だ。さらに、金を受け取らずに北朝鮮脱出者を韓国に入国させたケースも数回にわたると、彼らは付け加えた。

そのため、李被告が拘束されたとの事実が、北朝鮮脱出者への支援団体などを通じて伝えられると、韓国内に定着した北朝鮮脱出者らと各種の北朝鮮脱出者関連市民団体からの嘆願書が、裁判所に殺到した。

嘆願書を提出した北朝鮮脱出者はおよそ30人。外部に露出されるのを極度に忌避する北朝鮮脱出者らが嘆願書を提出したのは、非常に異例のことだ。

ドゥリハナ宣教会の千鏻元(チョン・ギウォン)伝導師は「北朝鮮脱出者への支援は当然韓国政府が担うべきことなのにもかかわらず、政府が無関心であるなか、李容疑者が北朝鮮脱出者を助けようとして起きたことであるだけに、裁判所の善処を期待している」と話した。



吉鎭均 leon@donga.com