盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、北朝鮮が国内保守系団体による8・15集会での北朝鮮国旗焼却事件に抗議して、ユニバーシアード大邱(テグ)大会ボイコットを示唆するや、19日、北朝鮮国旗焼却に対する遺憾の意を表明した。
これを受け、北朝鮮側は同日、大会参加の立場を明らかにしたが、盧大統領の遺憾表明に対して、野党と保守系団体が反発するなど、少なからぬ波紋が予想される。
盧大統領は同日午前の首席秘書官・補佐官会議で、「互いに和解と協力のために対話する状況にあるにもかかわらず、北朝鮮国旗と金正日(キム・ジョンイル)総書記の肖像画を燃やすことは適切でない。遺憾に思う」としながら、「今後このようなことが起らなければいい」と北朝鮮側の謝罪要求を受け入れた。
これを受け北朝鮮側は、同日午後、祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンの談話を通じて、「選手団と応援団をユニバーシアード大邱大会に派遣することにした」と明らかにした。祖平統スポークスマンはさらに、「遅きに失した感はあるが、南側は今日、謝罪の意味が明白な遺憾の意を表明し、再発防止を約束せざるを得なくなった」と述べ、「我々は、一つの血を継ぐ民族どうし互いに和解・団結してともに統一へ進むという一念から、このような決断を下した」と話した。
政府は同日、板門店の連絡官接触を通じて、盧大統領と丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官の遺憾表明を伝えた。
これに先立ち盧大統領は、「星条旗への侮辱行為がある度に遺憾表明をしてきたように、政府が遺憾表明をして、ユニバーシアード大会が円満に成立するように適切に措置してほしい」と統一部に指示した。
丁長官は同日午後、ソウル世宗路(セジョンロ)の政府中央庁舍で記者会見を開き、「南と北が和解・協力をしようとする時に、北朝鮮も韓国社会の多元性を理解しなければならないものの、韓国も北朝鮮社会の特性を理解するように努力しなければならない」と話した。
盧大統領は同日の大邱慶北(キョンブク)地域のマスコミ合同会見でも、「過去に南北が敵対関係にあったのは事実であり、実際に北朝鮮は敵なのか、対話の相手なのか、2つの性格が共存する」と述べ、「今大会が大変重要な行事であるだけに、私が批判を受ける覚悟で誠意をつくした」と説明した。
盧大統領はしかし、「北朝鮮のこのような問題への対応を見ると、あまりにも感情的で強硬であり、理解しがたい」としながらも、「過去にも到底理解できない問題を取り上げたことが多かったが、今回は韓国側が理由を与えたのではないかと思われる」とつけ加えた。
一方、野党ハンナラ党の朴振(パク・ジン)スポークスマンは、「国内の理念かっ藤に対しては、別段の対策もなく謝罪もしない盧大統領が、北朝鮮の要求に追われるように遺憾を表明して再発防止を指示したことは、本末転倒だ」と批判した。
自由民主連帯、海兵戦友会などの保守系団体も、「我々の行動は、原則のない対北朝鮮支援で社会の混乱と経済危機を招いている盧武鉉政権に警戒心を持たせるためのものだった」と主張した。
金正勳 金昇鍊 jnghn@donga.com srkim@donga.com