「どの打者も手ごわい相手だ」
「スター軍団」三星(サムスン)と試合をする度に、相手チームの監督はこのような愚痴を漏らす。実に李承鎏(イ・スンヨブ)、馬海泳(マ・へヨン)、梁逷赫(ヤン・ジュンヒョク)につながる三星の打線は怖い。しかし、ほかのチームの監督の悩みは、実はほかのところにある。
中心打線と下位打線をつなぐ金ハンス (32)の存在のためだ。金ハンスは相手が大きな山を越えたと思えば、必ず適時打を打って勝負にくぎをさしたり、下位打線につながるチャンスを作る。
25日のLG戦でもそうだった。6番打者としてマウンドに出た金選手は、一回の安打で打点をあげた後、3回にもチーム勝利に決定的な役割を果たした。李承鎏と馬海泳がフライに倒れ、梁逷赫の安打で作った2死1塁で、金はライト前三塁打を放ち、李広煥(イ・グァンファン)監督を緊張させた。
金は同日、一回の安打で、97年から7年連続の三桁安打という大記録を打ち立てた。プロ野球通算9番目の記録。
金が今年立てた記録はこれだけではない。1000試合に出場(現在1014)、100ホームラン(104)、1000安打(1066)、500打点(528)などが今シーズン彼が立てた記録だ。94年にデビューして10年目になるが、95、96シーズンには軍服務でまともに試合に出られず、実際は8年目に等しいため、なかなか立てにくい記録だ。一言で誠実さが目立つ選手と言える。
存在感がないように見えても、金は打撃の正確性においては他の追随を許さない実力。バットの木目に合わせてスイングをすることで定評がある。99シーズンには7月末まで「夢の4割打率」を維持していた。打率0.340(打撃4位)でシーズンを終えたとはいえ、彼の実力に異議を唱える人はいない。
それに、8球団の主要3塁手のうちもっとも安定した守備力も備えている。今シーズンの99試合で、ミスはたった四つ。コーチスタッフにはかけがえのない存在だ。
今シーズンの金の個人的な目標は、3年連続で3割の打率を上げること。「我がチームではホームラン何本、打点何点と決めておくのは意味がない。私より優れた選手は多い。単純に3割打率だと決めておけば、残り(記録)はついてくると思う」と話した。
25日現在、金の記録は打率0.287に13ホームラン、52打点。自分が定めた目標値にまだ及んでいない。最終盤を迎えた2003シーズンに金が自分の目標達成のため、どのような活躍を見せるかが、野球ファンの関心事だ。
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