米時事週刊誌タイムの最近号(9月1日付発行)が報じたところによると、アフガニスタンとイラク戦争を契機に、米議会と軍隊内部では、海外駐留軍を含めて、米軍兵力を全体的に増員しなければならないとの見方が出ている。
▲増員をめぐる議論と背景〓タイムによると、軍増員の必要性を初めて公論にしたのは、ピーター・シューメーカー陸軍参謀総長だ。シューメーカー参謀総長は先月末、ある公聴会で「軍兵力がさらに必要とされるようだ」と話した。
タイムとニューズウィークによると、それ以降、軍指導者らの間で、時々米軍増員の必要性が、対話や討論の議題に登場しているという。
この議論は、01年9月11日の米同時多発テロ事件以降、変化した国際環境を反映するものだ。一昨年9月11日のテロ事件以前まで、米軍削減は一つの明確なすう勢だった。米軍の規模は、ベトナム戦争があった1968年の350万人を最大規模に、それ以降続けて減り、現在は140万人ほどだ。
ブッシュ政権がスタートした後、前面に掲げている「さらに迅速に、さらに効率的で、変化に柔軟に対処できる軍隊の養成」とのスローガンも同じ脈絡からだった。
しかし、アフガニスタンやイラク戦争以降の状況は、先端兵器を使った強大な戦闘力でもって戦争で勝利することと、占領国家に軍を駐留させることは、全く別のものとの点を浮き彫りにした。
現在、イラクには米軍14万人が駐留しているが、むしろ兵力不足を訴えている。ある調査結果によると、戦争終了を宣言した後、ゲリラなどに襲われて死亡した米軍数は137人で、戦争期間中に戦闘や事故などで死亡した138人より1人少ないだけだ。
▲改革か?増員か?〓タイムが報じたところによると「現在、軍兵力は適正な水準」というのが米政府の正式な立場だが、米国の海外駐留軍を含めた軍全体の運用に問題があるとの事実については、異議がないという。
ニューヨークタイムズによると、ラムズフェルド長官が最近、軍をさらに効率的に運用するための案を検討するよう指示したが、この改革案が、勤務環境がきついと訴える軍人らの状況をさらに悪化させ、結局兵力不足の現象をさらに深刻化させるだろうとの見解もある。
▲解決策は米国の外交政策の変化?〓軍増員の必要性をめぐる議論は、問題のポイントから外れているとの指摘が一部から出ている。
レーガン政府時代、国防総省の高官だったD.H.ローレンス・コブ氏は「テロリズム、ならず者国家、大量破壊兵器が複合された問題を、米国が単独で、軍事的に解決しようとする政策自体が誤っている。他の諸国家と連係し、国際的な支援を獲得するのが正しい解決策」と助言している。
kimsk@donga.com