多国籍食品企業のネスレ本社は、2ヵ所間もストを続けている韓国ネスレに対して「清州(チョンジュ)工場の引き上げに必要な法的手続きを具体的に検討して報告しろ」と指示した。また「無労働無賃金」原則を徹底的に守らなければならないという指示もあった。
一方、韓国ネスレは職場閉鎖の対象を既存のソウル事務所から清州工場および全国の7営業地域本部と四つの物流倉庫全体に拡大することにし、同日職場閉鎖の届出を清州市役所などに提出した。
韓国ネスレの100%株主であるネスレは、スイスに本社を構えている世界1の総合食品多国籍企業で、現在全世界85ヵ国であわせて500ヵ所の工場を稼動している。
3日、韓国ネスレによると、スイス本社は李森徽(イ・サムフィ)韓国ネスレ社長に送った1日付公文で「ネスレグループは労組の適法な活動には同意するものの、会社固有の経営権および人事権に対する労組の干渉は容認できない」という方針を明らかにした。ネスレは続いて「韓国の労働法に無労働無賃金原則が明示されているのだから、韓国ネスレはこれを必ず守れ。争議終了後、いかなる名目であれ賃金を全部または部分的に補償することはない」と付け加えた。公文はまた「最近の韓国ネスレ競争力低下傾向が今後も続けば、韓国に生産基地を維持する必要性を見直して、工場を引き上げるための法的手続きを具体的に検討しろ」と指示した。
李社長は「ここ3年間、韓国支社の賃金が毎年10%以上も引き上げられ、韓国工場の生産性が落ち込んでいることについて、本社はかなり憂慮している。以前は韓国の賃金水準などについて本社がいちいち口を出したことはなかったが、これからは厳しくチェックするという方針だ。」と述べた。
これに対して、チョン・テクス韓国ネスレ労組委員長は「清州工場撤退の話は、紛糾のたびに出た。今でも社長が対話に応じれば問題は解決するだろう」と話した。
成東基 esprit@donga.com