殺人的な強風と大雨、津波をともなった台風14号が、12日午後から13日未明にかけて、韓半島を直撃し、100人以上の死者と行方不明、3500世帯1万人あまりの被災者が発生するなど、おびただしい人的被害と財産被害を出した。
中央災害対策本部は、13日「11〜13日に慶尚(キョンサン)南道の南海が452.5ミリ、大関嶺(テグァンリョン)が397ミリの降水量を記録するなど、全国的に10〜450ミリの大雨が降った。台風14号は13午前2時30分頃、慶尚北道蔚珍(ウルジン)郡を通過して東海に抜けた」と発表した。13日現在、洛東江(ナクトンガン)流域の5ヵ所には、洪水警報が出されている。
台風14号は、済州島(チェジュド)北済州郡のコサン気象台で最大瞬間風速が秒速60メートルに達し、00年8月の台風「プラピルン」が立てた秒速58.3メートルの記録を更新した。これは1904年に気象観測を始めて以来の最高風速でもある。
▲人的被害と財産被害〓暴雨と山崩れ、津波によって住宅やビルが埋沒されるなど被害が大きかった。13日午後5時現在、確認された人的被害は、全国的に死亡46人、行方不明36人に達しているが、時間が経つにつれ増え続け、最終的には100人を超えると予想されている。地域別では、△慶尚南道18人、19人(死亡、行方不明)△大邱(テグ)・慶尚北道9人、5人△全羅(チョンラ)南道7人、3人の順で被害が大きかった。また、財産被害の総規模は1兆ウォンを超えると推定されている。
13日午前には、慶尚南道馬山市海雲洞(マサンシ・ヘウンドン)の海雲プラザ・ビルに浸水し、10人余りが埋もれていると知られ、慶尚北道奉化郡小川面(ポンファグン・ソチョンミョン)では、山崩れで住宅が倒壊し、パン・ドンギュさんなど家族3人が埋もれた。
江原(カンウォン)、蔚山(ウルサン)、全羅南道などでは、住宅800軒余りと3600ヘクタールの農耕地が浸水された。そして橋梁24個が破損され、86隻の船舶が沈没または破損した。
また、釜山(プサン)港のシンガムマン埠頭と子城台(チャソンデ)埠頭のコンテナ・クレーン13機が転覆またはレールから離脱し、数百億ウォンの被害が発生した。
▲各種事故と交通杜絶〓強風のためにいたるところで高圧線が切れて停電事故が相次ぎ、146万8000所帯余りが停電被害をこうむった。
13日午後5時現在、108万世帯については復旧作業が完了したが、慶尚南道巨濟(コジェ)、馬山、昌原(チャンウォン)、慶尚北道蔚珍郡の6万5000世帯は、送電鉄塔復旧が終わる16日以降に電気が供給される予定だ、と韓国電力(韓電)は明らかにした。
また、慶南コリと慶北月城(ウォルソン)などの原子力発展所5基が津波と強風などで稼動を中断した。韓電側は「原発5基は15日中に再稼動できるとみられ、外部への放射能漏出被害はない」と明らかにした。
鉄道の場合、嶺東(ヨンドン)線など5つの路線10カ所で、列車脱線と線路流失のために一時交通が途絶えた。13日夜現在、嶺東線と太白(テベク)線の一部地域で列車の運行が中断されている。
13日未明には、中央(チュンアン)線の忠清北道(チュンチョンプクド)丹陽郡(タニャングン)丹陽面トクサン・トンネルの前で、安東(アンドン)発清凉里(チョンニャンニ)行のセマウル号列車の客車3両が山崩れで脱線し、乗客28人が怪我をした。
李鍾鎡 taylor55@donga.com