台風14号が、大邱(テグ)地下鉄放火事件で死亡した二人の娘の霊を弔うために寺を訪れた40代の母親の命を奪った。
金チュンヒョンさん(49・女・ 大邱東区不老洞)は12日午後10時10分ごろ、 慶尙南道昌寧郡(キョンサンナムド・チャンニョングン)のあるお寺に泊まっていたが、宿舎を土砂が覆いつくし、参拝者のシンさん(63・女)とともに命を落とした。
当時、台風14号の影響で寺のある山のふもとは1時間当たり数10mmの豪雨。宿舎は山崩れで埋もれ、跡形もなく消えさった。
金さんは今年2月、長女の卒業式に行っていた姉妹を大邱地下鉄火災で亡くした。秋夕(チュソク・旧8月15日)を迎え、二人の娘の冥福を祈るため、平素よく通っていたこの寺を訪れて参拝し、一夜を泊まった。
金さんの夫(55)は「突然の事故で相次いで家族を失って胸がちぎれるような思いをしている。あの世で親子が再会できることを祈る」と話した。金さんの葬式は16日に行われる。
姜正勳 manman@donga.com