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[オピニオン]美しい小銭

Posted September. 25, 2003 22:59,   

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アシアナ航空の国際線航空機に乗ったことがある人は、搭乗員が配ってくれる掌くらいの大きさの紙袋を覚えている。表には「チェンジ・フォー・グッド(Change For Good)」と書いてある。良い事に使いますので海外旅行中に使い残ったお金があれば入れてくださいという意味だ。入れられるお金は主に小銭だ。こうやって集まったお金が昨年1年だけで4億5400ウォンに達した。このお金は国連児童基金(ユニセフ)韓国委員会を通じて恵まれていない子供を助けることに使われる。外国の銅貨は、紙幣とは違って、持ち帰っても両替ができない。極めて珍しい銅貨は記念に保管する場合もあるが、ほとんどは引き出しの片隅で転がっている。

◆ユニセフは、01年から仁川(インチョン)空港の噴水台の銅貨を回収している。ここから出てくる銅貨は、ほとんどが韓国のものだ。韓国旅行に来た外国人が帰り道に幸運を願いながら投げた銅貨だ。ユニセフは、1週間に1回この銅貨を回収して、やはり恵まれない子どもたちを支援するために使っている。1回の回収額は平均20万ウォンぐらいだが、観光シーズンには60万ウォンに達する場合もある。ソウル鍾路区昌成洞(チョンノグ・チャンソンドン)のユニセフの建物に行けば、玄関の入口に新聞紙を敷いて、水に濡れた銅貨を乾かすようすが見られる。まる1日乾かしてようやく水気が完全に取れるという。

◆ユニセフの銅貨回収作業は、それ自体がわが国の経済に役立つ。中央銀行の韓国銀行が銅貨を作るために1年間に使うお金だけで354億ウォンに上る。回り回らなければならない銅貨が引き出しの中にしまわれているため、毎年新しく作るしかないのだ。10ウォン玉1個を作る費用は40ウォンだという。韓国銀行が創立以後作ってきた銅貨は延べ134億個。国民1人当り279個の割合だ。かつて、ある宰相が半切れになった1両の銅貨を2両を掛けてくっ付けたという話もある。下人がその愚かさをあざ笑うと、宰相は「そのまま捨ててしまうと国の財産が消えるが、くっ付けて使うと消えない」と話したという。

◆光州(クァンジュ)西区役所の環境美化員2人が5年間道路の掃除をしていて拾った銅貨7万9101ウォンを、台風14号の被害に見舞われた被災者のために出したという報道は胸を打つ。電話で1日何個拾ったかを聞くと、金額では100ウォンぐらいだという返事だった。10ウォン玉はもちろん1ウォン玉も少なくなったという。こうやって拾った銅貨を貯金箱に集めたということだった。仏様に灯火を捧げるためにインド・マガダ国の貧しい老婆「ナンタ」が銅貨2両を拾って油を買ったという貧者一燈の心がまさにこのようなものだろう。

李載昊(イ・ジェホ)論説委員 leejaeho@donga.com