第1弾で米国ハーバード大学の法学部を騒がせたブランド娘のエルが、今度は米国議会を大騒動させる。「キューティ・ブロンド2」でエルはペットのブルジャの母犬を自分の結婚式のお祝い客として招待するハプニングを起こす。化粧品メーカーの動物実験の対象になった犬を助けるため国会に「動物実験禁止法案」を成立させようとする狙い。
ベルサーチェ、ドルチェ&ガッバーナ、ルイ・ヴィトン、シャネル、プラダ、アナスイなどの一流デザイナーたちが参加し、ファッションショーを彷彿とするこの映画で派手な格好に変身するエルのファッションは、映画内容の展開を暗示する象徴だ。彼女が明るい色の服を着たときには物事がうまくいく兆しであり、暗い色の服を身につけたときには裏切られたり、挫折する状況だ。
ファッション情報会社「ファストビュー・コリア」のソン・ソユン・ファッション・コンサルタントの分析を通じて、主人公エルのドレスコードが映画とどのように「対話」しているのかを調べた。2日公開、12歳以上観覧可。
▲序盤—ジャッキースタイル〓初心者の試行錯誤を表したファッション。国会議事堂に初出勤するエルは、ピンクのスーツとピルボックス(四角スタイル)の帽子をかぶった。「米国東部の主流社会に必ずや仲間入りしたい」と張り切る姿をやややぼったく象徴したもの。
このスタイルはジョンFケネディー大統領が暗殺された時、隣にいた妻のジャックリンのファッションを真似したもの。それ以来「7分袖+ミニスカート+ピルボックス帽子」は「ジャッキースタイル」というファッションコードとして定着し、60年代のファッションをリードした。
▲中盤—ヒッピースタイル〓政略が幅を利かす国会に真っ向から挑戦するエルの意思を示すファッション。化粧品製造のため動物実験禁止法案を提出したビクトリア下院議員が後援者の資金支援を引き続き受けようという思惑で法案の提出を撤回する。勝利を目の前にしていたエルは裏切られた気持ちでいっぱいになり、結局法案を立法請願するため国会議員たちと個別接触して、署名をもらい始める。
このときからエルのファッションはヒッピースタイル(中間)に変化する。肩が露出するタンクトップに色が落ちたジーンズ、金色のブレスレット、虹色のスカーフとショールなどは主流社会に抵抗したいというエルの意思を象徴する。
長くたらした髪は米女性運動の母・グロリア・スタイナムを真似したスタイルで、エルが「女性ならではのやり方」で問題を解決していくだろうということをほのめかす。動物実験禁止を要求する大型横断幕をかかげて行進するエルからは、70年代の反戦あるいはウーマンリブを唱えた運動家たちの姿がオーバーラップする。
▲後半—個性を盛り込んだメーン・ストリームスタイル〓議事堂で議員たちの投票を督励する感動的な演説を行うラストシーンでエルは、白いシルクのズボンに赤いタンクトップをインナーウェアーにした。これは主流社会の格式に合わせながらも赤い色を通じて自分だけの個性をあらわしたもの。エルが国会の権威を自分なりに消化して受け入れたファッションコードをみせる。結局、エルは自分の個人的な経験を盛り込んだ感性的な演説内容で議員たちを魅了する。
李承宰 sjda@donga.com