「技のサッカーからパワーサッカーの時代へ」
国際サッカー連盟(FIFA)は9日、テクニカルスタディーグループ(TSG)が選定した2003米女子ワールドカップベスト11と交替選手5人などオールスターチーム16人を発表した。
同日発表されたリストで最大の異変は女子サッカー最高のスターとして君臨してきたミア・ハム(米国)がベスト11から追い出され交替メンバーになったこと。ハムとともに女子サッカーの二本柱と言われていた中国のスンウェンは候補選手リストにすら入らなかった。
一方、今大会で準決勝まで7ゴールを入れ得点王を目前にしている次世代サッカースターのドイツのストライカービルギト・プリンツと、試合当たり0.60ゴールを許した鉄壁守備を披露したドイツのGKシルケ・ロッテンベルグ、スウェーデンを決勝に導いたビットリア・スベンソンなどの新人スターらがベスト11に名を挙げ、女子サッカーの世代交代を宣言した。
13日決勝を控えたドイツとスウェーデンがベスト11に5人と3人ずつの名前を載せ、アジア出身としては中国のDFのワン・リピンが唯一入っている。
2003米女子ワールドカップベスト11が象徴することは、女子サッカーでも巧みな技のサッカーはもうこれ以上支持されないということだ。10年以上世界の女子サッカーを制覇してきたハムやスンウェンは皆1m63の短身で巧みな技を武器にした選手だった。
一方、ドイツやスウェーデンは技よりは力とスピードを生かした攻撃サッカーで今大会の決勝に進出した。その代表となるのがプリンツ。1m79、77㎏の大柄の「暴走機関車」プリンツは激しいぶつかり合いも辞さないプレーをし、女子サッカーの新しい流れをリードする選手として注目されている。
技のサッカーを駆使するブラジルと巧みなパスワークに基づいた中国、朝鮮民主主義人民共和国、日本などアジア勢が沈没したのは男並みのパワーとスピードを兼ね備えたチームがリードした今大会ではすでに予測されたことだ。ジェフ・ブラッターFIFA会長は「女子サッカーも目覚しく発展した。特に選手たちの身体条件が前と比べものにならないほどよくなった」と述べた。
次ぎはオールスターチーム選手リスト。
◆ベスト11
△GK=シルケ・ロッテンベルグ(ROTTENBERG Silke、ドイツ)△DF=ワン・リピン(WANG Liping、中国)、ジョイ・フォセット(FAWCETT Joy、米国)、シャルマン・フーパー(HOOPER Charmaine、カナダ)、サンドラ・ミネット(MINNET Sadra、ドイツ)△MF=ベッティナ・ウィグマン(WIEGMANN Bettina、ドイツ)、マリン・モストロム(MOSTROEM Malin、スウェーデン)、シャノン・ボックス(BOXX Shannon、米国)、マレン・マイナーと(MEINERT Maren、ドイツ)△FW=ビルギト・プリンツ(PRINT Birgit、ドイツ)、ビットリア・スベンソン(SVENSSON Victoria、スウェーデン)
◆交替選手(5人)
△GK=キャロリン・イエンソン(JOENSSON Caroline、スウェーデン)△DF=ソルベーグ・グルブランドセン(GULBRANDSEN Solveig、ノルウェー)、マルタ(MARTA、ブラジル)△FW=ミア・ハム(HAMM Mia、米国)、ダグニー・メルグレン(MELLGREN Dagny、ノルウェー)
金尙浩 hyangsan@donga.com