ノーベル平和賞には、一般人が誤った常識として理解しているものが少なくない。
ノーベル平和賞候補選定委員会のゲイル・ルンデスタッド事務局長は、最近ノーベル平和賞をめぐる9つの誤解について釈明した。
①候補名簿の事前流出問題〓発表されるまで受賞候補者は秘密に付される。世間の「候補名簿」云々の噂は、マスコミの憶測にすぎない。
②ロビーが通じる〓委員会にロビーを繰り広げて、特定候補を選定できるというのは話にならない。ロビー活動は逆効果を招きかねない。
③候補の割り込み〓最終段階で候補を割り込ませることは不可能だ。候補提出の締め切りは発表の8ヵ月前で、同年2月1日以前の郵便消印が押されていなければならない。
④誰でも推薦〓推薦資格は、過去の受賞者と候補選定委員会の前現職委員および職員、政府および議会の構成員、法学、神学、社会学、歴史学、哲学教授、平和および外交研究所所長、国際裁判所の判事に限られる。
⑤受賞を撤回できる〓受賞者がふさわしくない行動をした場合、その賞を撤回できるというのはナンセンスだ。受賞撤回の条項はない。
⑥死後の受賞も可能〓1961年、飛行機事故で亡くなったダグ・ハンマルシェルド国連事務総長が、唯一の死後受賞者である。1974年、規定が改正され、死後の授賞は禁止となった。
⑦実績が無ければならない〓平和賞は、必要な時点で功労者を励ますことに重きを置いている。したがって、失敗の危険性があるとしても、平和への努力が認められれば授賞することにしている。
⑧決定権はノルウェー政府に〓5人の委員はノルウェー議会が指名するが、ノルウェー政府は関係なく、委員たちが独立して選定している。
⑨授賞式はスウェーデンにて〓平和賞は、ノルウェーの首都オスロで行われる。残る5部門のノーベル賞授賞式は、スウェーデンのストックホルムで開催される。