ドイツ在住の社会学者、宋斗律(ソン・ドゥユル、59)氏事件を捜査中のソウル地検・公安第1部(呉世憲部長検事)は10日、宋氏に4回目の召喚をかけ、北朝鮮の主体思想を支持する内容を盛り込んだ『歴史は終わったのか』、『統一の論理を探して』など宋氏が著述した書籍と論文などが、利敵表現物にあたるかどうかについての捜査を行った。
検察は、また、宋氏がドイツで講演を行い、88年のソウルオリンピック開催に反対すると主張するなど反政府活動を行った経緯についても取り調べた。
検察当局者は「宋氏の著書と論文などは、同氏のアイデンティティを把握するうえで重要な手掛かりとなる」とし「学術会議の発表文なども入手し△親北朝鮮指向なのかどうか△共産主義を信奉しているのかどうかなどについて慎重に検討している」と話した。
検察は宋氏が同日、西江(ソガン)大で行われた「韓国哲学者大会03」に参加できるように取り調べを中止しており、11日、宋氏を再び呼んで取り調べるとしている。
検察は宋氏の犯罪容疑は重いが、反省や転向への意思が明確でないことから、起訴が不可避なものと見ている。
一方、法務部の康錦実(カン・クムシル)長官は同日、国会・法制司法委員会(法司委)の法務部への国政監査で「宋氏と関連し、先月24日、処罰は不可能だという趣旨の発言を行ったが、時期的に適切でなく誤解を与える余地がある。慎重ではない発言だった」とし「この席で、謝罪の意を示したい」と話した。
李相錄 myzodan@donga.com buddy@donga.com