ブッシュ米大統領の訪日を17日にひかえ、円高問題がイラクへの支援問題を抜いて、日米首脳会談の重要議題として浮上した。
当初ブッシュ大統領の訪日理由はイラクへの資金援助と自衛隊の派兵問題だったが、日本政府の誠意表示として米国の希望枠内で決定したため、日本の「念願」だった円高阻止問題が急浮上したもの。
米政府は、ドル安を望む業界を意識し「為替レートは市場に委ねるべき」との原則論で通しているものの、国際舞台で米国を積極的に支援している日本の要求を頭から無視することもできない立場だ。
国際金融業界は日米首脳会談が先月22日に開かれた7ヵ国(G7)財務相会議に次いで、主要国通貨の為替レートの流れを左右する分岐点になるものとみている。
▲「ブッシュの友人は小泉だけ」…日本の圧力〓各国でイラクへの派兵問題が難航しているのとは裏腹に、日本は早々と自衛隊の年内派兵を決定した。イラクへの分担金も米国が「数十億ドル」求めたのに答えて、来年の15億ドルから始まり07年までの4年間で合わせて50億ドル以上の拠出を決めた。
長引く不況で、財政状態が以前のようにはいかないことを踏まえれば、50億ドルは日本としてもかなりの出血を覚悟した上での規模になる。日本のマスコミは、小泉首相が自分をテキサスの牧場に招待してくれた「友人」のために、野党の反対を押して大きな贈り物をしたと解釈している。
日本経済新聞は、日本政府の本音はイラクへの協力に対する見返りとして、米国から為替レート問題の譲歩を勝ち取ることにあると報じた。
▲「イラク援助—円高阻止」駆け引きは可能か〓円・ドルレートは8日、1ドル=110円台が崩れた後(円の切上げ)、108円台で取引きされている。
金融専門家らは米国と欧州の協力がなければ、円は年末には1ドル=100〜105円まで進む可能性もあると見通した。自動車、電子など主要業種の輸出採算性が赤字に転じた状況の中で、1ドル=100円台を割り込めば、日本経済が深刻な危機に陥るだろうとの懸念が強い。
日本政府は首脳会談でブッシュ大統領が「『強いドル』政策に変りはない」と発言してくれることを期待している。
5月の日米首脳会談では、ブッシュ大統領の強いドル発言で、円が僅かながら下落の傾向をみせた。
しかしブッシュ政権は、来年の大統領選を意識しなければならない立場であることから、為替レートの問題から自由ではいられない状況だ。一部では、ブッシュ大統領が小泉首相を気遣って、日本の市場介入については言及しないで済ませる可能性もあるとの分析も出ている。
朴元在 parkwj@donga.com