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1ヵ月余りの人生、最後の宴会を開こう 演劇「卒業」

1ヵ月余りの人生、最後の宴会を開こう 演劇「卒業」

Posted October. 17, 2003 23:16,   

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平凡な中年女性に下された「ガン宣告」。妻として、娘として、そして母親として生きてきた生も、もう1ヵ月しか残っていない。死を目の前に控えた状況で、どのように人生を整理していくべきだろうか。

劇団「カールティーズン」の『卒業』は、人生でいつかは遭遇するようになる死の問題を描いた芝居だ。重いテーマを取り扱った芝居としては、雰囲気が、悲しいだけではない。もちろん、軽いとの意味でもない。

女は「生前の葬式」を行うことを決心する。自身と親密な仲の人々を招待し、まだ死んでいない自分を想ってくれる席を作ったのだ。招待された人々の中には、幼なじみもおり、夫と一時恋人関係にあった若い女性もいる。終生、母親を虐待してきた彼女の父親、常時、彼(女)らに助けばかり要請していた夫の友人もいる。彼(女)らは、女のために、即席のコンサートを開いたり、女を褒め称える詩を朗読したりもする。登場人物らは時には愉快に、時には悲壮に彼女についての思い出を共有し、死という予定された結末へと、徐々に近付いていく。

この芝居は、作家と俳優、制作スタッフなど、みな観客が信頼できるメンバーらからなっているとの点が注目される。作家のイ・マンヒは戯曲『電気をちょっと消してください』『辰年の上に犬年』『咲いて落ちて、咲いて落ちて』とシナリオの『約束』『ワイルドカード』などを通じて、優れた力量を認められている。演出家のファン・インレ氏もやはり、テレビドラマ『シャンプーの妖精』やミュージカル『ハードロック・カフェ』で感受性のある演出力をアピールした。ここに、映画『スキャンダル』で音楽を担当した、イ・ビョンウの音楽まで加わり、芝居の味を増している。

しかし、何よりも、この芝居を輝かせているのは、中堅俳優らの熟練した演技だ。李豪宰(イ・ホジェ)とユン・ソジョンの演技は、まるで実際に数十年にわたって一緒に暮らしてきた夫婦のように、劇中に、自然と溶け込んでいる。チャン・ミジャとキム・ジェゴンの自然な演技と、ウォン・ミウォンとヤン・ジョンヒョンが見せてくれるシャイでぎこちない感情の表現は、作品の完成度を高めるのに一役買っている。25日から11月2日にわたって、文芸振興院芸術劇場の小劇場で公演される。月〜土曜:午後3時・7時半、日曜:午後3時・6時(25日は午後7時半の公演だけ)。2万〜3万ウォン(約2000〜3000円)。お問い合わせ:02−765−5476。



朱性元 swon@donga.com