盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が昨日、再信任国民投票の問題はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議から戻った後に、政党の代表たちと会って政治的に妥結することを明らかにした。
本紙は、もはや再信任国民投票が昨今の国政の乱脈ぶりを解消する案として適切ではないと指摘していた。側近の不正で道徳性が傷ついたというが、国民投票という極端な処方まで動員しなければならない事案かということにも、疑問を提起した。再信任を問う前に、国政刷新策を出すことが順序であるという点も強調した。もとより違憲の要素も大きかった。
政界の協議過程でいかなる結論が出るか、断言することはできない。しかし大統領も言ったように、すべての政党が反対するなら、強行は困難なのが現実だ。ならば、大統領と政党代表らは、再信任国民投票の論議中止を宣言して、他の案を講じなければならない。
まず大統領が、国政刷新の意志を示さなければならない。政権8ヵ月で大統領職をかけて再信任を問わざるを得なくなった原因を考え、対策を見出さなければならない。大統領府と内閣の人的刷新も断行すべきだ。その後で来年4月の総選挙で審判を受けるか、あるいはその前でも、政界の合意の下で正式に再信任を問う手続きを踏まなければならない。再信任国民投票をするなら、現行憲法の下でそれが合憲かどうか、憲法裁判を通じて明確にしなければならない。
重要なことは、いかなる場合であれ、うやむやにしてはいけないということだ。大統領の再信任国民投票が一回限りのびっくりショーやイベントで終わってはいけない。大統領は、再信任の提案だけで、支持勢力の結集、自身の道徳性誇示、国政混乱の責任転嫁といった効果を得たと感じるかもしれないが、これによる国論分裂と混乱に対して、責任を負わなければならない。
一国の大統領が、このように国政を行ってはいけない。野党が反対するためどうしようもないと言うかもしれないが、「再信任カード」は当初から軽率で無責任な決定だったという批判は免れない。