▲逃げ出す農業研修生たち〓忠鋻南道洪城郡(チュンチョンナムド・ホンソングン)畜産営農法人「養豚サラン」に8月初めに配置されたウズベキスタン人の農業研修生2人は1週間目で逃げ出した。「養豚サラン」の李ジュファン管理部長は「彼らは国際電話を40万ウォン分も使って消え去った」と述べた。21日、外国人農業研究生制度を代行している農協中央会によれば9月末までに現在ウズベキスタンとモンゴル出身の農業研修生498人のうち13%の65人が逃げ出しているという。各農家が直ちに通報していないため離脱者がこれうよりはるかに多いとみられる。
離脱した外国人研修生が残っている同僚たちをあおるため、農家は考えてもいなかった「賃金引き上げ」をせざるを得ないこともある。農業研修生7人を配置してもらった江原道鐵原郡(カンウォンド・チョルウォングン)「インソン営農組合法人」管理人のヒョン・ジェフン氏(57)は「研修生たちが逃げ出した同僚から『工場で月250万ウォンずつもらって働いている』という電話を受けて動揺したため、基本給のうえさらに15万ウォンずつ給料を引き上げてくれた」と述べた。
一部の研修生たちは入国の前から工場などで働く親戚などに連絡して前もって職場を確保したり、「ブローカー」を通じて韓国に行く手段として農業研修生制度を悪用するという。
▲農業について全く知らない研修生たち〓忠鋻南道牙山市(アサンシ)クムオ養豚のカン・ジェホ代表(43)は研修生3人を連れて1ヵ月間仕事する間いらいらすることが多いという。2人は元タクシー運転手や大工であるため農作業を全く知らないためだ。
また農民は彼らと言葉が通じないので手話を習わなければならないくらいだ。研修生たちは入国して2週間韓国語と韓国文化、農業技術の研修を受けて農家に配置される。
韓国語と文化をよく知っているという面では中国の朝鮮族の人たちの方が有利だが、政府が彼らは逃げ出す懸念があるという理由で研修生として受け入れるのをはばかっている。中国延邊でしいたけ農場を経営しているオ・ミョンファン氏は「朝鮮族といっても現地で徹底した検証と身元保証をすれば逃げ出すのを防ぐことができる」と述べている。
▲制度上の問題点〓農林部は2005年までウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、ウクライナ、モンゴル、中国の6カ国から研修生5000人くらいを募集する計画だったが、農民たちは今年1125人を申し込むのに止まった。
農民が研修生を使うには申込書、営農規模確認書、納税書類など、各種の書類をそろえて6,7つの機関を訪れなければならない。このため、多くの農家が保険に加入する義務もなく、解雇も自由な不法滞在外国人を好んでいる。稲作をしている農民は費用のため研修生を雇うことは想像もできない。退職金を含めた基本給65万ウォンに健康、産業災害、賃金支払い延滞補償など4つの保険加入費、宿食費などを合わせれば研修生1人当たり月120万ウォン前後がかかるためだ。
一方、研修生たちの離脱現象に対して農林部の許仁九(ホ・イング)農村人力課長は「人材派遣会社に農業研修生離脱に関する責任を問い、資格を奪う計画だ」とし、「離脱研修生が発生したウズベキスタンからは今後研修生を受け入れない」とした。
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