在独学者の宋斗律(ソン・ドユル、59)氏の国家保安法違反疑いの事件を捜査中のソウル地検公安1部(吳世憲部長検事)は、宋氏が1995年から最近まで6回にわたって「開かれた南北海外統一学術会議」の開催を主導し、チュチェ(主体)思想を宣伝するなど北朝鮮の労働党政治局候補委員として「指導的な任務」を遂行したものと判断されると22日、明らかにした。
検察は宋氏が今年3月に訪朝したのも学術会議と関連した指令をうけるためのものと思われると伝えた。
また、97年に黄長鎏(ファン・ジャンヨプ)前労働党秘書が韓国に亡命した後、宋氏が独ベルリン駐在北朝鮮利益代表部所属の工作員金キョンピル(米国に亡命)氏とファックスで交信した内容の写本とこれを所持していた亡命スパイC氏の証言などを総合検討した結果、宋氏が労働党政治局候補委員だという結論を下したものと伝えられた。
一方、同日午後ソウル地裁で非公開で行われた宋氏に対する拘束令状実質審査で、検察は宋氏を相手に「国家情報院で労働党政治局候補委員だという事実を認めながら、検察ではなぜ否定したのか」と追及した。これに対して、宋氏は国情院で候補委員という事実を認めたことがないと否定した。
続いて、検察と宋氏の弁護人団間で、95年から6回にわたって中国北京などで開催された南北学術会議で宋氏の活動と関連した攻防が行われた。
検察は宋氏が主体思想の宣伝など特殊目的を遂行するめに北朝鮮当局の指令を受けてから学術会議に出席したと主張した反面、弁護人団は純粋な学術研究レベルのものだったと対立した。
金秀卿 jefflee@donga.com skkim@donga.com