イラク内の武装勢力が「週末大攻勢」を展開した。一連の攻撃はイラクの不安な治安状況や遅々として進まない復旧事業のため、米国内で高まっている反戦世論をさらに煽り立てそうだ。
▲大胆になった攻撃〓26日午前(現地時間)ウオルフォヴィッツ米国防副長官一行の泊っているバグダッド市内のホテルが攻撃された。CNN放送など外信は、同日午前6時10分頃、アルラシド・ホテルが6〜8発のロケット弾攻撃を受けたと、米軍スポークスマンの話として報道した。
ロケット弾はホテルの3、8、11階の客室を直撃した。具体的な人命被害の状況は発表されていないが、同ホテルの12階に泊まっていて無事避難したウオルフォヴィッツ副長官は、「米国人1人が死亡したかも知れない」と話した。ラシドホテルは、サダム・フセイン前大統領が迎賓館として使ったホテルで、米軍が完全に掌握しているチグリス川の西側にある。
▲イラク北部は治安不安定地域〓フセイン追従者と推定される武装勢力は主にバグダッド都心と大勢のスンニー派イスラム教徒が居住している北部地域で集中的なテロを行っている。米軍はもちろん米軍に協調するイラク人もテロの対象になる。
フセインの故郷、バグダッド北東のティクリート西部地域では25日、米軍のブラックホーク・ヘリが携帯用のロケット・ランチャー(RPG)の攻撃を受けて、米軍5人が負傷した。
同日午前6時、ティクリート北東部のキルクークでは米軍の警戒所を狙って4発の爆撃砲が打ち込まれ、これによる死傷者は不明。
キルクークの南側125km地点のハルミンでは24日、クルド族のテコンドー・チーム50人余りの乗ったバスが銃撃を受け、11人が怪我をし、3人が危篤。24日の午前は韓国軍派兵予想地のモスルで穀物倉庫の警備に当っていた米軍1人が銃撃を受けて死亡した。
▲情報戦に失敗した米軍〓AP通信は米陸軍の最新評価報告書を引用して、「イラク駐屯米軍の情報収集と加工能力が落ちており、現地偵察要員の情報能力が脆弱なため、人命被害が広がっている」と報道した。
今年5〜6月、イラクやクウェート、アプガニスタンなどを実体調査した米陸軍の2つ調査団の活動報告を土台にまとめられた同報告書は、「米軍が古い情報を収集してこれを加工・交換するのに時間を奪われており、これは司令部側の欠陥によるものだ」と指摘した。
イラクには現在69の戦術偵察チームが活動しており、1日最低120件の情報報告書を作成しなければならないが、実際は30件程度に止まっているということ。
こうした「低い生産性」は司令部がまともな指揮体系を構築できずにいる上、アラビア語の通訳が法外に不足しているためだと報告書は指摘した。
朴來正 ecopark@donga.com