
「ポリスアカデミー」、「リーサル・ウェポン」、「48時間」 など警察を主人公にしたり素材として取り扱った数々の映画がある。
韓国映画でも例外ではない。3編まで登場した「ツーコップス」シリーズを含めて「情けも容赦もない」、「ワイルドカード」など警察の世界は肯定的でも否定的でも映画の良き材料だった。
5日封切られた映画「コップス」はこうした日常的な想像力のフレームから外れている コメディー映画だ。10年間、犯罪が起きていない村という設定から一味違う。犯罪が発生しなくて、警察署が閉鎖の危機に直面すると、警官が無謀にも警察署死守のため「犯罪作り」に乗り出すという設定だ。この映画の笑いのポイントは、警官らが自分たちの職場であり、愛する警察署を守るため犯罪を犯すという「逆転」の発想から始まる。
作品の中ではっきり描写されてはいないが、ここに10年間犯罪が10%の村がある。届出を受けて出動するが、事件といってもたかが花園を壊した牛を追い払うようなこと。ベニ(トケル・ペテルソン)とヤコブ(パレス・ファレス)、夫婦警察のラセ(ゴラン・ラグネルスタム)とアグネタ(シセラ・カイレー)など警官は、村の年寄りとポーカーをやって、壊れた扉を直しながら一日一日を過ごす。
実は警察署だとは言え、韓国の基準から言うと交番だ。そうしたある日、本部から美貌の検査官がやってきて、犯罪がない村だから警察署を閉鎖するという藪から棒のような通告を伝える。
スウェーデンの若手監督ジョセフ・ファレス監督(26)はこうしたアイディアに極度に誇張されたキャラクターを結合させて笑いのレベルを高めた。想像の中で繰り広げられるベニのアクションは「マトリックス」の主人公、ネオ顔負けに華やかだ。空手で銃弾取り、取った銃弾で爆弾を作って投げる、ビリヤードの「スリークッション」技法を利用した銃撃ち、ズボンのチャックで銃を撃つことなどなど。
ベニのパートナーとして比較的正常な警察のヤゴブもひっきりなしにお見合いをするが、恋愛に失敗する平凡な男だ。
パレス監督はレバノンで生まれて10歳の時スウェーデンへ移住した自伝的な経験を描いたデビュー作「ヤルラ!ヤルラ!」(00年)に続いて「コップス」で注目を受けている。ヤコブ役のパレスは監督の実兄で、父親のヤーンもこの作品に助演として出演した。
映画製作者でありコメディー俳優として有名なアダム・サンドラがこの作品のリメーク版権を買ったこともある。12歳以上観覧可。
金甲植 dunanworld@donga.com