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[オピニオン]悪徳事業主

Posted November. 11, 2003 22:52,   

한국어

韓国は絶対貧困に喘いでいた1960年代初めに西独から1億5000万マルクの商業借款提供の約束を取り付けた。だが、問題は支払保証だった。商業借款を取り成すとすれば銀行の支払保証が必要だが、韓国の信用では到底不可能だった。窮余の策として取られた方案が看護婦と鉱員の派遣だった。西独に派遣された看護婦と鉱員7000人の賃金を担保にコメルツ銀行が支払保証をしてくれたのだ。韓国勤労者の生まれながらの勤勉さに力負ったのが大だが、ドイツの人々は暖かく迎えてくれた。「純粋理性批判」を読んだ大卒の韓国鉱員はドイツ人にとってはまさしく驚異そのものだった。

◆1964年12月、ドイツのある鉱山都市は涙の海と化した。訪独の最中、慰労訪問した朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領の前で韓国人の看護婦と鉱員らは切なくむせび泣いた。大統領も泣き大統領夫人も泣いた。こうして流した涙が「漢江(ハンガン)の奇跡」を生み出した。もはや、私たちはきつい仕事を変わってやってくれる外国人労働者を輸入する国になった。立場が変わったためだろうか。韓国に出稼ぎに来て息を引き取った中国人勤労者の日記帳には次のような文が見られた。「社長が90万ウォンしかくれない、残りの6万ウォンはくれない。話では数日後にあげると言っているが、韓国人はみんなそうだ。仕事をするときは早くしろとせかし、給料のときはずるずる引き延ばす」

◆先月末現在1459人の外国人勤労者が1人当たり215万ウォンずつ、31億3700万ウォンの賃金を受け取っていないことがわかった。215万ウォンだとすれば、中国やアジアの貧国の勤労者が現地で1年半以上一所懸命働いてやっと稼げる「大金」である。もちろん経営が芳しくなくて、1、2カ月ほど賃金が遅れることもありうる。問題は滞在期間が4年を過ぎて出国しなければならない外国人勤労者の立場を悪用して、わざと賃金を払い伸ばしにする事業主がいるということだ。「赤子の手をひねる」ということわざが地でいっている。

◆外国人雇用許可制法案が7月国会で通過したことで、韓国の関連制度は世界に出しても遜色がないほどまでになった。外国人勤労者を家族のように迎えるオーナーも多い。何人かの悪徳事業主のために韓国国民全体が外国人勤労者の人権を侵害しているという不名誉を被っているのだ。この点で政府が外国人勤労者の賃金を故意に、もしくは常習的に給料の支払いを遅らせている事業主に対して拘束捜査など厳しく対処することにしたのは歓迎すべきだ。切り出したからには、政府は不法滞在者を雇用する事業主に対しても厳しく取り締まる意思を見せるべきだ。働き場がある限り不法滞在者は隠れてでも居残ろうとするだろうし、大韓民国は人権侵害の是非から自由にはなれないだろう。

千光巖(チョン・グァンオム)論説委員 iam@donga.com