今日ソウルで開かれる韓米年次定例安保協議会(SCM)に国民の関心が集中している。両国の代表団が扱う主要懸案であるイラク派兵と在韓米軍再配置問題が、今後両国の関係に及ぼす影響を考慮すれば、熱い関心は当然だ。多くの国民は、チョ・ヨンギル国防長官とラムズフェルド米国防長官が率いる韓米代表団が、互いに満足できる結論を導き出すことを期待するだろう。
困難な懸案をめぐって向い合う両国代表団の負担は大きいが、解決策がないわけではない。韓米が50年の同盟関係を維持してきたという心強い背景を懸案解決に適用するなら、両国国民の関心と期待に応じることができるだろう。両国は一つを与えれば必ず一つをもらわなければならないという利己的な計算よりは、同盟の精神を活かす大乗的な次元でアプローチしなければならない。
イラク派兵は、米国の要請によって韓国がイラクに軍隊を送る問題だ。韓国は派兵部隊の経費まで負担しなければならない。米国はまず、韓国政府が提示する案を傾聴しなければならない。苦心した末に困難な決断を下した韓国政府と韓国の世論動向を配慮する姿勢が必要だ。韓国の提案を評価する際、イラク現地の状況悪化によって派兵をためらう各国政府の態度と比較することも忘れてはならない。
韓国政府も、慎重ながらも柔軟な姿勢を見せなければならない。米国が無理な要請をした場合は別だが、納得できる主張に対しては誠意を示すのが同盟国の姿勢だ。米国のイラク戦略と派兵関連要求事項を把握し、国益と韓米同盟関係を総合的に考慮すれば、派兵戦略を適切に調整することができるだろう。
在韓米軍再配置問題も、両国の立場を充分に考慮して互恵的な変化を推進しなければならない事案だ。米国の世界戦略次元で推進されることだが、韓半島の安保に支障を来たしてはならないという韓国側の望みも尊重されなければならない。特に、派兵問題の調整が順調ではないといって、在韓米軍再配置に悪影響を及ぼしてはいけない。二つが同時に懸案として浮上したが、論議自体は独立になされなければならない。派兵かどうかによって、米軍再配置の時期と規模が揺れることがあってはならない。
今回のSCMは、韓米両国にとって大きな挑戦だ。この山を賢明に乗り越えれば、両国の関係はより成熟した段階に発展できる。両国が互いに相手を配慮する姿勢で臨むことを願う。両国の見解の差が大きく調節が困難なら、もっと時間をかけて論議を続けるのも方法だ。