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[オピニオン]ラミズム(Rummyism)

[オピニオン]ラミズム(Rummyism)

Posted November. 19, 2003 23:18,   

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率直で辛らつ、時にユーモアがある。ラムズフェルド米国防長官は、独特のレトリックで有名だ。 同時多発テロ後、ほとんど毎日テレビ中継された彼の記者会見は、「ラミーショー」と呼ばれるほど人気があった。口のうまい「ランボー」を見るような信頼感と、聞く楽しさを与えるからだ。テロリストの脅威に対して「既知の知があり(There are known knowns)、未知の知があり(There are known unknowns)、未知の未知がある(There are also unknown unknowns)」と答え、流行語になった。はっきりしないが当たっている。たわ言のようだが、知的で華やかな彼のレトリックを米国人は「ラミズム」という。

◆ラミズムは、ラムズフェルド長官の率直な性格とレスリング選手出身らしい俊敏さに由来する。国防長官を2度も務める有能さと世界最強の国を率いるという自信感、核心を素早く把握して対処するリーダーシップは、ラミズムに光を与える。同時多発テロ直後、保守的雑誌『ナショナル・レビュー』は、70近い彼を最もセクシーな男性に選んだほどだ。今はイラクの後爆風のためにブッシュ米大統領の信任を失ったのではないかという疑惑を受けているが。

◆ラミズムは、公式発表文よりも彼の本心と意図をよく表しており、注目される。「任務は、他のすべてより優先される」というラムズフェルド長官は、「公正になるには、まず強くなければならない」という言葉で、強い米国のためなら何でもできるという「強者のパラドックス」を表出したことがある。訪韓記者会見で、「弱さは人々が考えなくてもいいことを考えさせる」と言ったことも同じ脈絡だ。この言葉は、ある記者の質問に「My goodness gracious!(すばらし)」という嘲弄調の感嘆詞とともに、非戦闘兵中心で派兵するという韓国の決定には不満だという表現でもあり得る。

◆一国の国防長官として、軍事的能力だけが敵を抑制できると信じることは、当然かもしれない。しかし、他の見方をすれば、世界制覇を図るという一種の傲慢ではないか。このためラミズムは、しばしば禍をもたらした。イラク戦に協力しない欧州を「老いた欧州」と呼び、ドイツとフランスを怒らせたこともある。今回、北朝鮮を「悪」と呼んで「劇的な政権変化が、北朝鮮を吹き抜けるかもしれない」と言及したことが、どんな後爆風をもたらすか注目される。

金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com