一昨日、国会予算決算特委は笑劇のひとこまだった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の後援者の姜錦遠(カン・クムウォン)チャンシン繊維会長の突出発言をめぐって、ハンナラ党が「私設の副大統領」だと責め立てたのはともかく、問題は文喜相(ムン・ヒサン)大統領秘書室長と柳寅泰(ユ・インテ)政務首席の答弁だ。
文室長は、「姜さんになんらかの措置を取れ」という議員らの要求に対して、「どうやったら良いでしょうか、かつては秘書室長が大変な権力を持っていたかも知れませんが、今になって私にどうしろと言うんですか。告発でもしましょうか。大統領の話を聞く人だったら、すでに聞いたはずです」と当惑を隠せなかった。柳首席も、「本当にもどかしいです。私たちも当惑しています」と難色を示した。
いったい姜氏が何者ゆえに、こうした笑えないできごとが起るのか。盧大統領とどういう関係であって、彼を食い止められないのか。だからこそ、「政権末期に登場する小大統領が早くも出た」といううわさまで取りざたされるのではないか。
姜氏の下品は話し方はなかなか止まりそうにない。「私は政権内第1野党の総裁」、「今度の再編で、文在寅(ムン・ジェイン)民生首席も更迭される」、「大統領選挙の際、盧候補を想像を絶する方法で助けた」と言ったあげくに、とうとう「私が口を開けば、多くの人が気まずい思いをするだろう」と話した。歴代どの政権の側近や家臣もこうした言い方をしたことはない。そうした点で二人の関係を単なる後援関係としてのみ考えるのは難しいという見方もある。
どういう場合であっても、一中小企業家が国政安定のカギを握っているかのように、大統領の人事方向まで知っているかのように騒ぎ立てては困る。姜氏は自制すべきだ。こうした振舞い方は大統領を助けることではない。話したいことがあったら、検察で話すべきだ。
盧大統領も手をこまねいてばかりいてはならない。姜氏との間でどんな事情があるかは知らないが、このまま行けば、国民的疑惑を膨らませるだけだ。姜氏一人によって、大統領が戯画化され、政権の権威と綱紀が乱されてはなるまい。