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脱北の元国軍捕虜、身元確認で国防部が「職務遺棄」

脱北の元国軍捕虜、身元確認で国防部が「職務遺棄」

Posted November. 21, 2003 22:49,   

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今年6月に北朝鮮を脱出した元国軍捕虜のチョン・ヨンイル氏(72)、チェ・ウンヒ氏(68)夫婦が最近、中国公安当局に逮捕され北朝鮮に送還される危機に置かれたのは、国防部の「職務遺棄」のためであることが21日明らかになった。

国防部のクォン・ヨンジュン人事福祉局長(海軍少将)は同日の記者会見で、「9月に北京の駐中韓国大使館の武官からチョン氏の国軍捕虜に関する確認要請を受け、生存している500人の国軍捕虜名簿と対照したが、確認できなかったので、その内容を通報した」とし、「当時の戦死者名簿など、更なる確認作業をおろそかにした実務者に対して監査を行っている」と述べた。

とくに関連部署が同様の結果を長官・次官に報告しないなど、国軍捕虜問題の処理に手抜きあがあったことが明るみに出た。

国防部は9月24日、北京の韓国大使館付武官から、チョン氏の個人的事項と元所属部隊などに関する情報をもとに国軍捕虜であるかどうかについて確認してほしいという要請を受けたが、捕虜名簿だけを確認して該当人物がいないと返信したという。

しかし、今月18日、外交通商部が再度確認を要請してくると、国防部は初めて戦死者名簿からチョン氏の身元を確認していたことが分かった。

これについて国防部は「当時、武官部から送られてきた公電にはチョン氏の軍籍番号が記入されていなかったので、確認するのに多少の困難がともなった」と釈明した。

しかし、生存の国軍捕虜と戦死者名簿はコンピュータでの照会が可能で、9月の最初の確認要請を受けたとき、戦死者名簿さえ確認していればチョン氏の身元は簡単に確認できたはずだ。

とくに国防部は最初の確認過程で、チョン氏が明らかにした国内本籍地の遠い親族との電話通話で「チョン氏は死亡した」という答えを聞いただけで、生存の可能性を排除していたことが判明した。

クォン局長は「国軍捕虜名簿と関連資料を包括的に確認すべきだったが、これを看過したのは全面的に国防部の責任だ」と話した。

チョン氏は中国浙江省杭州の公安に逮捕されたあと、北朝鮮との国境地帯にある図們の脱北者収容所に移送されたとされる。

国防部によると、現在、韓国戦争中に北朝鮮に抑留されたことが確認され、しかも生死のいかんと身元が確認されている元国軍捕虜は計1186人で、このうち500人が生存している。



尹相虎 ysh1005@donga.com